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南野拓実らもかつて出場! 未来の日本代表戦士が集うJユースカップに注目せよ!

2018.11.02

森保ジャパンをけん引する南野拓実も出場した [写真]=J.LEAGUE、Getty Images

 10月16日、強豪ウルグアイ代表を相手にアグレッシブな試合内容で快勝を飾った“森保ジャパン”。そのメンバーには、かつてJユースカップで輝きを放った男たちが数多く含まれている。

 Jユースカップの正式名称は『Jユースカップ Jリーグユース選手権大会』。その名の通り、もともとはJリーグのユースチームのナンバーワンを決める大会だった。現在はJリーグ以外のクラブチームにも門戸を開いており、別に予選会を行った上でJクラブ以外からも4チームが参戦するようになっている。俗にユースの三大タイトルと挙げられるのが、夏休みに行われる日本クラブユース選手権(U-18)大会、通年開催のリーグ戦である高円宮杯JFA U-18サッカープレミアリーグ、そしてこのJユースカップだ。


 この大会の出身選手として、現在の日本代表からまず名前が挙がるのは、先日のウルグアイ戦でも2得点を挙げる大活躍を見せた南野拓実だろう。セレッソ大阪のアカデミーで育った南野は、このJユースカップでも確かな才能の煌めきを見せた選手だ。特に高校2年生だった2011年大会では、チームの主軸としてチームの決勝進出に大きく貢献。決勝では名古屋グランパスU-18に惜しくも敗れているが、準決勝の清水エスパルスユース戦で2得点を挙げて5-1の大勝に貢献するなど、7試合で13得点の大暴れ。得点ランク2位だった後藤優介(大分トリニータ)を大きく引き離しての得点王だった。決勝で敗れた後は悔しさを露わにするなど、負けん気の強さはこのときから変わっておらず、悔しさを糧にしながらさらに成長していくタイプだった。

 堂安律は1年生のときに出場した2014年大会で大きなインプレッションを残した選手だった。現在のように得点へガツガツこだわるというプレースタイルではなかったが、1年生離れしたフィジカルと堂々たる落ち着きぶりでボールをキープしつつ攻撃に変化を加えるプレーは天下一品。いつもにこやかにサッカーを楽しんでいる遊び心のあるところも、今と変わらない。堂安を擁するチームも決勝進出を果たす快進撃を見せたが、延長PKの末に鹿島アントラーズユースに敗れて涙を呑んだ。

堂安律

堂安律もかつて出場した [写真]=J.LEAGUE

 日本代表の10番を背負う中島翔哉は東京ヴェルディユース時代から鮮烈なプレーを連発するテクニシャンとして知られ、一つ上の代でも各大会で上位に進出して活躍を見せた。1年生のときは主軸選手ではなかったものの4強を経験。2年生と3年生のときのJユースカップではチームが予選リーグ敗退となり、不思議とこの大会には縁がなかった。

 ロシアW杯メンバーだと、武藤嘉紀は2010年大会で得点ランク3位タイの8得点を記録。FC東京U-18は惜しくも準優勝だった。そう考えてみると、不思議と優勝より準優勝を経験している代表選手が多いのかもしれない。吉田麻也や酒井宏樹といった守備陣もこの大会を経て羽ばたいていった選手たちがいるが、酒井は柏レイソルU-18の2年生だった2007年大会で、FC東京U-18に敗れてやはり準優勝だった(当時まだレギュラーではなく、交代出場だったが)。

 今大会にもそんな「日本代表の卵」がいる可能性は大いにある。今週末に準々決勝を控える中、勝ち残ったのはアルビレックス新潟U-18、ガンバ大阪ユース、サンフレッチェ広島F.Cユース、ヴィッセル神戸U-18、横浜F・マリノスユース、北海道コンサドーレ札幌U-18、柏レイソルU-18、清水エスパルスユースの8チーム。いずれも未来のJリーグ選手がひしめく好チーム揃いとなった。

 ここからあえて注目株を挙げるなら、U-16、U-19の日本代表としてアジア予選を戦っている、あるいは戦っていた選手たちが「旬」かもしれない。U-16日本代表の切り札として活躍した1年生FW唐山翔自はG大阪ユースでもジョーカー的な存在で、先輩・堂安が1年生で今大会を沸かせたような活躍ぶりに期待したいところだ。また神戸U-18のMF山内翔はU-16代表と同じく、中盤の舵取り役を担う選手で自在なパスワークとリズムの変化を作って魅せる。

 U-19日本代表の左サイドバックである広島ユースの東俊希は、大会の最注目株だろう。準々決勝での出場はないだろうが、準決勝まで勝ち残れば彼の勇姿を観るチャンスもありそうだ。すでにトップチームでの出場も経験しており、左サイドからの迫力ある仕掛けと強烈な左足のキックが売りの“ロベカル系”である。

東俊希

U-19日本代表の東俊希 [写真]=Getty Images

 またトップチーム経験者と言えば、すでに明治安田生命J2リーグで得点も記録している新潟U-18の10番・本間至恩も外せない。小気味良い仕掛けに加え、フィニッシュワークで怖さを出せる、中島翔哉と同系統の選手だ。また札幌U-18に所属するU-18日本代表DF中村桐耶も、ルヴァンカップでトップチームデビュー済みの逸材。186cmの高さがあり、左足から繰り出すロングフィードにも特長がある。

 いずれにしても、Jユースカップはまさにここからが佳境だ。この記事で紹介した選手たちは本当に一部に過ぎない。“未来の日本代表”をぜひ探してみてほしい。

文=川端暁彦

2018Jユースカップ 第26回Jリーグユース選手権大会

【準々決勝】
■11月3日(土)
11:00 アルビレックス新潟U-18 vs ガンバ大阪ユース(ノエスタ)
14:00 サンフレッチェ広島F.Cユース vs ヴィッセル神戸U-18(ノエスタ)
■11月4日(日)
11:00 横浜F・マリノスユース vs 北海道コンサドーレ札幌U-18(NACK)
14:00 柏レイソルU-18 vs 清水エスパルスユース(NACK)

【準決勝】
■11月11日(日)
11:00 柏対清水の勝者 vs 新潟対G大阪の勝者(ベアスタ)
14:00 横浜FM対札幌の勝者 vs 広島対神戸の勝者(ベアスタ)

【決勝】
■11月18日(日)
13:00 対戦カード未定(ミクスタ)

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