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2点ビハインドもなんのその! 神戸との一戦は川崎が首位たる所以を「証明」する結果に

2018.10.21

大量5得点で神戸を下した [写真]=金田慎平

 基本的にサッカーにおける3得点目は、勝利を大きく手繰り寄せる一発になるケースが多いが、満員の等々力には「フロンターレなら勝ち越せる」。そんな雰囲気が漂っていた。事実、主将の小林悠も「3点目を取られた時も、勝てるという感覚はあった」と振り返る。

 2位サンフレッチェ広島が敗れたことに加え、アンドレス・イニエスタが約1カ月ぶりに先発出場を飾り、首位・川崎フロンターレ対ヴィッセル神戸の一戦には注目が集まった。立ち上がりに幸先よく先制した川崎だったが、不運なオウンゴール、そして古橋亨梧と三田啓貴のスーパーゴール2連発を食らい、あっという間に逆転を許してしまう。


 阿部浩之の出場停止もあり、最前線に小林と知念慶を並べる4-4-2で臨んだが、3失点目を食らったタイミングでいつもの4-2-3-1に布陣を変更。トップ下にポジションを移した家長昭博が前半終了間際にまずは1点を返すと、65分には齋藤学が待望のリーグ戦移籍後初ゴールをマーク。「チームとして、あれで絶対に行ける雰囲気になった(中村憲剛)」という。

川崎Fの齋藤は移籍後リーグ戦初ゴール [写真]=金田慎平

 圧巻だったのは大島僚太が決めた4点目。イニエスタの古巣バルセロナも顔負けのパスワークで神戸守備陣を崩すと、走り込んだ大島が落ち着いてゴールネットを揺らした。この一連のプレーには「日本ではなかなか見ることができない崩し(中村)」、「早く帰って見直したいくらい(小林)」と絶賛の声も上がった。さらにその7分後には、エウシーニョがダメ押しとなる5点目を奪い勝負あり。

 中村は「前半の3失点はNG」と反省点を口にしつつも、「1-3からの5-3は自信を持っていいと思いますし、自分たちのサッカーを突き詰めれば、こういうふうに差が付くということを証明できた」と胸を張る。これで2位広島との勝ち点差は「4」に広がり、逆転するためには最低でも2試合が必要となった。首位・川崎にとっては有利な状況になったが「やるべきことは変わらない」と語る。

「上に立っても、自分たちが勝ち点3を目指すことに変わりないです。周りがどうこうよりも、まずは自分たちにフォーカスすること。自分たちのサッカーを突き詰めて、勝ち点3を取る。そういうサッカーができるクラブです」

 2点のビハインドをものともしない強さを見せつけた首位・川崎。仮にこのままトップを守り抜いてJ1連覇を達成した時、おそらくサポーターは「神戸戦の勝ち点3は“大きかった”」と異口同音に話すだろう。2018シーズンの“語り草”になるような見事なゲームだった。

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