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【ライターコラムfrom磐田】J1通算200ゴールまであと「19」…磐田で再スタートを切る大久保嘉人

2018.07.21

今夏、川崎フロンターレからジュビロ磐田へ移籍した大久保嘉人 [写真]=J.LEAGUE

 ジュビロ磐田の元日本代表FW大久保嘉人(36)が18日、ヤマハスタジアムで行った鹿島アントラーズ戦ハーフタイム中のセレモニーで地元ファンに挨拶した。この日は登録期間の関係で出場できなかったが、「ジュビロが優勝できるように頑張ります」などと決意を示し、磐田側スタンドからは惜しみない拍手が起こったが、それをかき消すかのように、鹿島側のスタンドからは大ブーイングが飛んでいた。

 磐田入りが決まり、クラブを通じて出した公式コメントに「大久保嘉人と聞けば気性が荒く、嫌いな人も多いと思います」と記している。プロ1年目の2001年、ナビスコ杯(現ルヴァン杯)のプロ初得点、J1初得点がともに磐田スタジアム(現ヤマハ)の磐田戦。J1初得点の試合は、現在磐田でコーチを務める田中誠氏(42)とやりあって両者退場という強いインパクトを残している。


“ヒール”なイメージがまとわりつく大久保だが、しかし味方にすれば、J1最多の通算181得点を挙げている男は頼もしい。MF山田大記(29)は「ステップがこまかく、間合いをつくれるので、パスを出しやすい。一緒にやっていてやりやすい」と話した。

 名波浩監督は「まだ周りと合わせている段階で、ミニゲームなどでもシュートをほとんど打っていない。嘉人には“勝負は来季から”と伝えている」と磐田での初陣となる22日の北海道コンサドーレ札幌戦は途中出場が有力。だが、「嘉人は実戦派」とも付け加え、高い決定力に期待を高めている。

 見応えがあるのはシュート練習だ。アクロバティックな体勢で放つシュートを決めたと思えば、ゴールから大きく外すこともある。意識しているのは「練習で難しいことはしない。GKに読まれていても、同じコースに打つ。(体の)バランスとタイミングだけ。その2つが整えばシュートはほぼ入る」と大久保。インステップキックで叩くような基本を続けて、試合では応用をきかせばいい。「いまさらシュートがうまくなるわけではない。ここ5、6年は同じ事をしている」とも話した。

 前所属の川崎フロンターレで今季、出場機会は激減した。磐田に来てからは精力的に自らを追い込み、「体重を5キロほど落とすことができた」とコンディション調整に手応えをつかんでいる。「磐田の順位を1つでも上げたい。でも、練習ではなにも参考にならない。試合をやりながらチームになじんで、貢献したい」。前人未到のJ1通算200ゴールへあと19点。再スタートを切る大久保の挑戦が始まる。

文=岩田大五

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