2018.04.24

【ライターコラムfrom松本】セルジーニョ、好調・松本の原動力…「小さな巨人」を駆り立てるものとは

セルジーニョ
松本の攻撃をけん引するセルジーニョ [写真]=J.LEAGUE
1978年生まれ、東京都出身。長野県内の新聞社で15年まで勤務し、現在はフリーライターとして松本山雅FCを中心に信州スポーツを幅広く取材。クラブ公式有料サイト「松本山雅FCプレミアム」編集長も務める。

「小さな巨人」とも呼べるほど、その存在感は大きい。

 明治安田生命J2リーグで今季初の2連勝を挙げ、5戦負けなしでじわりと順位を上げてきた松本山雅FC。V字回復を果たした要因を探ると、166cmの小柄なブラジル人MF・セルジーニョに行き着く。チーム内で最も競争の激しいシャドーのポジションにあって、第6節から先発の座を確保して無敗。すでに来日1年目の昨季を上回る4ゴールを挙げている上、献身的なプレスで守備面でも多大な役割を果たす。「非常に幸せにサッカーができている」。その口ぶりには、確かな手応えがにじむ。

 コンディションがいいから惜しみなく走れるし、周りが見える。だから必然的にボールも集まる。モンテディオ山形を下した前節のアシストはその象徴的なプレーだろう。23分、セットプレーの2次攻撃。ゴール前を固める山形に対し、セルジーニョは手薄な右サイドへスプリントをかけて縦パスを引き出した。「クロスの前には必ず頭を上げる。そのスペースが見えたので誰かが入ってくると信じて上げた」と、ファーサイドへクロス。これが浦田延尚の頭にピタリと合う絶妙なアシストとなった。

 第2節のアルビレックス新潟戦で決めたテクニカルなヒールシュートのように、得点パターンはほとんどが2タッチ以内。狭いエリアでの仕事はお手のものだし、密集エリアでの落ち着きぶりも光る。ただ今季当初、その存在感は限りなく薄かった。前田直輝や永井龍ら新加入のアタッカー陣に注目が集まり、3-1-4-2の新陣形を試していた時期。「ポジション争いが厳しくなることを覚悟しながら臨んでいる」と語っていたが、2トップの一角としてもインサイドハーフとしても今ひとつフィットし切れていなかった。

 潮目が変わったのは新潟戦。1点ビハインドの60分に工藤浩平と同時に交代投入されると、チームは3-4-2-1にシフトして一気に流れを引き寄せる。そして同点ゴール。だが調子が上向きになってきたある日、反町康治監督に声をかけられた。規律を重んじる指揮官から「コンディションがいいのは分かっているし起用したいが、いい加減なプレーをするなら送り出せない」と練習態度について苦言を呈されたのだ。自身も「好調をキープできているのはあの話し合いがあったおかげ」と認める。

 こうした経緯もあって好調・松本の核となっているセルジーニョ。ブラジルなどでプレーしてきた経験から、Jリーグと松本の特異性も身に染みている。「サポーターのおかげで山雅は成り立っていて、自分たち選手はプレーできている。ブラジルでは調子のいい時しかサポートしてくれなかったから、悪い時にも応援してくれるのは初めての経験で感謝している。カザフスタンも選手をリスペクトしてくれたが、ここまで気持ち良くプレーさせてくれるわけではなかった」と振り返る。

セルジーニョ

甲府戦で決勝点 [写真]=J.LEAGUE

 だからこそ、なのだ。第9節のヴァンフォーレ甲府戦。ゴールを決めた直後、サポーターがひしめくゴール裏へと一目散に駆け出した。専用球技場のホーム・アルウィンなら距離も近いが、場所は山梨中銀スタジアム。幾重にも並ぶピッチ内看板を飛び越えながら、陸上競技のトラックを横切って喜びを分かち合った。「サポーターがいなかったらあのゴールは生まれていない。みんなで勝ち取ったゴール」とうなずく。

 もちろん、「みんな」という言葉にはチームメイトもスタッフも家族も含まれている。「家族が幸せに過ごしているのもサッカーに大きく影響していると思う。チームの大事なピースになっていると感じられていて嬉しいし、逆に自分もみんなのことを大事にしている。グラウンドでうまくいくように日頃からコミュニケーションを取ることを心がけている」とセルジーニョ。自らを取り巻く全てへの感謝を胸に、松本をさらなる高みへと導いていく。

文=大枝令

欧州リーグ順位表

マンチェスター・C
100pt
マンチェスター・U
81pt
トッテナム
77pt
欧州順位をもっと見る
バイエルン
84pt
シャルケ
63pt
ホッフェンハイム
55pt
欧州順位をもっと見る
バルセロナ
93pt
アトレティコ・マドリード
79pt
レアル・マドリード
76pt
欧州順位をもっと見る
ユヴェントス
95pt
ナポリ
91pt
ローマ
77pt
欧州順位をもっと見る

Jリーグ順位表

サンフレッチェ広島
37pt
FC東京
28pt
川崎F
27pt
Jリーグ順位をもっと見る
大分
31pt
山口
28pt
町田
26pt
Jリーグ順位をもっと見る
鹿児島
20pt
沼津
20pt
C大23
19pt
Jリーグ順位をもっと見る