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公式戦6戦無敗で退任…大槻監督が最後の会見で語った「勝ち負けよりも大事なこと」

2018.04.21

見事な手腕で浦和を立て直した [写真]=Getty Images

 Jリーグ25年の歴史でここまで“キャラ立ち”した監督はいただろうか。堀孝史前監督の成績不振を受けて、浦和レッズの暫定監督に就任した大槻毅育成ダイレクター。スーツ姿に髪型はオールバック、90分間テクニカルエリアで選手たちを鼓舞し続ける姿が話題となり、一躍時の人に。槙野智章は「お客さんを呼べる監督」と評す。

 浦和の暫定監督として最後の試合となった21日の明治安田生命J1リーグ第9節・北海道コンサドーレ札幌戦。大槻監督のラストマッチを一目見ようと本拠地・埼玉スタジアム2002には39,091人のサポーターが集結。大槻監督が表紙を飾ったマッチデープログラムは完売し、埼スタは“大槻フィーバー”に沸いた。


 一進一退の攻防が続いた札幌戦はスコアレスドロー。大槻監督は試合後の記者会見で「勝ち点3を取れなくて残念でした。ゴール前のクオリティと回数は物足りなかったですが、ビルドアップや前から行く守備は表現できたと思います。スタミナが落ちかけたところでスタジアムの大歓声が聞こえてきて、選手たちも頑張ったのですが……。勝ちまで持っていけたなという思いが強いです」と勝利を逃したことを悔やんだ。

大槻毅

最後の一戦はスコアドローに終わった [写真]=J.LEAGUE

 公式戦6試合を指揮し、4勝2分け無敗。7得点3失点と文句の付け所がない数字を残した。指揮を執った6試合を大槻監督はこう振り返る。

「勝った試合に関しては、やろうとしたことができない時間が多い中で勝ちを拾えた。逆に札幌戦はやろうとしたことはできたけど、勝てなかったので難しいなとは思います。4月2日から昨日まで選手たちは非常にいい姿勢でトレーニングに臨んでくれました。サッカーには勝ち負けがつきものですが、一体感、一つのグループとしての勝利。そういうイメージを持っています。18人のグループから11人のスタメンを選ばないといけないですが、そこに入っていないメンバーも非常に素晴らしい姿勢を見せてくれた。これは勝ち負けよりも重要ではないかと思います。そこは僕と上野(優作コーチ)で合致した意見です」

 開幕から5試合未勝利だったチームをわずか3週間ほどで立て直した手腕は見事としか言いようがない。記者会見の最後に「お世話になりました。ありがとうございました」と大槻監督が言葉を発すると、報道陣から自然と拍手が沸いた。

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