強さと速さを兼ね備えるFWパトリックは、広島の大きな武器だ [写真]=J.LEAGUE
■サンフレッチェ広島 カップ戦で今季初黒星も、リーグ戦は無敗継続中
【プラス材料】
開幕からの不敗記録を8に伸ばし、8試合で勝ち点22という快進撃。湘南戦では前半に相手のアグレッシブな戦いに苦戦することを計算にいれた上で凌ぎに凌ぎ、後半にはペースを取り戻し、2つのセットプレーから得点を決めて勝利。ゲームプランがほぼ完璧にはまった戦いとなった。懸案だったボール支配率も湘南戦ではほぼ互角。前半は圧倒されていたが後半にしっかりと盛り返した証拠である。
2試合連続複数得点を挙げ、得点ランキングのトップに躍り出たFWパトリックだけに頼るのではなく、コンビネーションも少しずつ成熟。幅と深さをとった攻撃の方向性も浸透してきた。8試合2失点という堅守が好調の要因であることは明確だが、攻撃も間違いなく進化している。
【マイナス材料】
18日のルヴァン杯・名古屋戦で逆転負けを喫し、公式戦での不敗記録が11で止まってしまった。DF千葉和彦に続きDF丹羽大輝まで負傷してしまい、本来はボランチであるルーキー・MF川村拓夢をセンターバックで使わざるを得なくなった。川村自身は非常にいいプレーを魅せていたが、センターバックは経験が大きくものを言うポジション。これからのリーグ5連戦を見据えた時、千葉や丹羽の不在は本当に痛い。
10番を背負ったチームナンバー1のテクニシャンであるMFフェリペ・シウバが、思うように結果を出せていないのも心配の種だろう。今季初となった公式戦敗戦のメンタル的なショックをどうリカバリーしていくか。連鎖反応を起こさせない強さが求められる。
文:紫熊倶楽部 中野和也
■サガン鳥栖 リーグ無敗の首位相手に守備陣が奮闘を見せられるか
【プラス材料】
連戦が続くなか、なかなか結果が出ないでいる。しかし、その連敗のなかでもセンターバックのDF高橋祐治がフィットし始めた。若いCBではあるが、場を積めば連続失点を止める活躍を見せてくれるかもしれない。
先制を許す試合が続いているだけに、できるだけ耐え、少ないチャンスを決めることができれば勝機は出てくるだろう。リーグ無敗の広島相手だが、成長著しい高橋がしっかりと役目をこなせば、鳥栖にも勝機が訪れるはずだ。
今節は苦戦が予想されるが、守備陣の健闘で試合は面白くなる。若い力に期待したい。
【マイナス材料】
これまで、攻撃をけん引してきたFWビクトル・イバルボが、ピッチに立つのか立たないのかで大きく攻撃力が変わってしまう。リーグ前節を終えてマッシモ・フィッカデンティ監督は、「広島戦には何とか…」と明言は避けたが復帰のめどを話した。しかし、戻ってきてすぐに最上級のパフォーマンスを見せてくれる保証はない。ここは、戻ってきたとしても大きな期待は避けた方が無難である。
むしろ、好調なFW田川亨介とFW趙東建に期待したいが、プレーに波があるので、こちらも大きな期待は避けておきたい。守備が大健闘を見せて、少ないチャンスを攻撃陣が決めることで何とか引き分けに持ち込めれば…
文:totoONE編集部