2018.03.23

【土屋雅史氏のJ2展望】長い対戦の歴史がある栃木と熊本が激突!…町田は金沢相手に勝ち点3を獲得すると予想

町田のMF平戸太貴と金沢のFW垣田裕暉は、ユース年代を同じチームでプレーしていた [写真]=J.LEAGUE
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■JFL時代から紡いできた歴史…栃木と熊本が3年ぶりに対戦

 開幕3連敗を喫しながら、ここ2試合は勝ちに引き分けと復調傾向にある19位の栃木が、3勝2敗と白星先行の8位熊本と栃木県グリーンスタジアムで対峙する今節。このカードは2001年にJFLで初めて顔を合わせて以来、その主戦場をJ2に移しつつ、何度もリーグ戦で対戦するなど、しのぎを削ってきた両チームの対戦でもあるのです。

19位の栃木と8位の熊本が対戦する。長年対戦し続けてきた両チームの一戦の結末やいかに

 初めてJFLへ昇格したのは2000年。そこから、J2への参入を決めた2008年まで1度も降格することなく、一貫して全国の舞台で戦い続けた栃木。一方、日本電信電話公社熊本サッカー部として1969年に創部。以降もNTT熊本サッカー部、NTT九州サッカー部と改称しながら九州リーグを席巻し、さらにNTT熊本FCからまたもクラブ名が変わった2001年に、JFLへと参入したのがNTT西日本熊本FC。前述したようにこのシーズン、両雄は初めて公式戦で激突することになります。

 開幕節がその初顔合わせ。4月1日。熊本市水前寺競技場に1,026人を集めて開催されたゲームは、熊本が先制したものの、89分に決勝弾が生まれる劇的な展開で栃木が逆転勝利。アウェイで勝ち点3をもぎ取る結果となったのです。アルエット熊本とさらにクラブ名が変更された翌2002年も含め、3度の対戦は栃木の2勝1分。実質的にアルエット熊本と、2005年から九州リーグへ参入したロッソ熊本は別チーム扱いとなっていますが、天皇杯の出場回数はこの2チームの積算となっているなど、決して関係性は浅くないため、歴史としてこの時代のこともご紹介しました。

 再びJFLで対峙した2006年と2007年の2シーズンを経て、Jリーグの舞台で初めて対戦したのは、熊本に1年遅れて栃木がJ2へと昇格した2009年。第15節にグリスタで相対します。試合は63分にFW河原和寿のゴールで栃木が先制するも、終盤の89分に原田拓の同点弾で熊本が追い付きドロー決着。スタメンにも栃木は岡田佑樹、MF鴨志田誉、佐藤悠介、熊本はDF市村篤司、河端和哉、矢野大輔とJFL時代を知るメンバーの名前が。そこから、今季でちょうど10シーズン目となりますが、栃木が2016年から2シーズンに渡ってJ3に主戦場を置いていたため、今回のゲームは3年ぶりの再会となります。

 リーグ戦での対戦成績に目を移すと、過去15回の対戦は栃木から見て4勝3分8敗となかなか分の悪いデータが残っているだけではなく、ホームゲームの数字は1勝3分4敗と、過去8試合で1度しか勝ったことがないという、かなり悪い相性を突き付けられています。さらに熊本はここ2試合で愛媛と大宮を相次いで破るなど、あるいは栃木以上に調子を上げている最中。各種データを総合して、今回はアウェイチームの勢いが上回ると予想。「2」にマークします!

■鹿島ユースで苦楽を共にした2人が、ピッチ上で再会を果たすか

 前節は土壇場の同点弾で勝ち点1を強奪した13位の金沢と、ここまで3勝2分の無敗で2位に浮上した町田が、石川県西部緑地公園陸上競技場でぶつかる一戦。このゲームには、ジュニアユースからの6年間を過ごした元チームメイトが、Jリーグのピッチ上で初めて敵味方に分かれて対戦する可能性が秘められています。

 ここまでJ2アシストランキングの首位を独走しているのは、町田のプレーメーカーであるMF平戸太貴。彼を初めて見たのは、鹿島ユースの一員としてプレーしていた2014年のJユース杯。結果的に4人がトップチーム昇格を果たす世代で、まだ2年生だった平戸は中盤のキーマンとして高い技術でチームを牽引。準決勝でも大事なゴールを叩き出すなど、大阪での日本一獲得に大きく貢献します。

 その平戸と同じタイミングとなる2016年に、鹿島ユースからトップチームへ加わったのが、現在は金沢でフォワードのポジション争いに身を投じている垣田裕暉。彼の名前をしっかり認識したのも、やはり2014年のJユース杯。ただ、当時は同じポジションに1つ上のFW鈴木優磨がいたため、その大会での出場機会は限定的でしたが、翌シーズンのプレミアEASTで12ゴールを記録し、得点ランキング2位に食い込む活躍を見せ、平戸と同じくプレミア制覇の立役者に。トップ昇格を勝ち獲ることになりました。

高いレベルにある鹿島ユースで、ともに戦ってきた平戸と垣田。今節、ピッチで再会を果たすことはあるのか [写真]=J.LEAGUE

 お互いにルーキーイヤーの2016年はトップチームでのリーグ戦出場はなく、翌2017年シーズンは平戸が町田へ、垣田が金沢へそれぞれ期限付き移籍で武者修行に。シーズン中盤からスタメン起用の増えた前者が26試合、後者が主に途中出場ながら32試合に出場し、実戦経験を積む中で揃って移籍期限を延長し、そのままのクラブでプレーする道を選択。覚悟のシーズンに挑んでいます。

 そして訪れた2018年。昨年末にはM-150CUPを戦うU-20日本代表にも選出され、一層の刺激を受けた平戸には早くもブレイクの予感が。開幕節の京都戦でいきなり2アシストを記録すると、第2節の大宮戦でも2アシストをマークし、開幕連勝に貢献。前述通りアシストランクのトップに立つ活躍を披露しているのです。

 冷たい雨の中で行われた前節の松本戦もその勢いは止まらず。0-0で迎えた74分。町田が右サイドで獲得したFKのスポットに立ったのは平戸。「大宮戦でもああいうFKが同じような位置であったので、そういうイメージも頭に残りつつ、狙った場所に蹴れました」という素晴らしいキックを中央へ送り込むと、ボールはゴールネットへ吸い込まれます。「『触ったかな? 俺のゴールかな?』と思ったんですけど、航大くんがメッチャ喜んでいたので」と本人が振り返ったように、猛アピールしたDF藤井航大が「他にも『触ったよ』と言ってくれる人がいたので、そこは証人がいますから。『絶対コレ、太貴のゴールになる!』と思って(笑)、『オレ! オレ!』と言いました」と笑顔で話せば、「なんか得点泥棒された気持ちです(笑)」と平戸が引き取るあたりに、今のチーム状況が透けて見える気がします。

 さらに81分にはカウンターから、今シーズン初ゴールもきっちりマークし、1ゴール1アシストの活躍で、チームを勝利に導いてみせた平戸。「『もっともっとゴールに絡んで、もっともっとチャンスを創っていきたい』とずっと思っていて、そういう形の練習をやっているので、徐々にそういう回数や質は上がってきているんじゃないかなと思っています」と自身の出来に手応えも掴んでいる様子。このパフォーマンスが一過性のもので終わりそうな気配はまったくありません。

 ちなみに、昨季も同じカテゴリーだった金沢と町田はリーグ戦で2度対戦していますが、金沢ホームの第5節は垣田、平戸と共にベンチにこそ入ったものの。最後まで出場機会がなく、町田ホームの第37節は平戸がゴールを決めたのに対し、垣田はメンバー外と、まだ両者がピッチ上で対戦したことはありません。そのことを問われ、「ずっと一緒にやってきたので楽しみですし、『一緒にピッチで戦えたら非常に楽しいだろうな』という気持ちはあります」と答えてくれた平戸。さらに、金沢では2人にとってユース時代の1年先輩にあたるMF大橋尚志もプレーしており、さながら鹿島ユース生同窓会の様相を呈す可能性も出ているのです(ちなみに“得点泥棒”扱いを受けた藤井も鹿島ユース出身です。だいぶ先輩ですが 笑)。

 垣田と平戸がピッチ上で再会できるか否かも楽しみなこの一戦。好ゲームが予想されるものの、今の町田は攻守に結果の出せる安定感を纏っています。ここはアウェイチームが勝ち点3の獲得で無敗をキープすると予想。こちらも「2」で勝負します!

文=土屋雅史

予想難易度が高いとされるJ2は、toto当せんのカギを握る重要な要素の一つ。国内サッカー事情に精通した土屋雅史氏がJ2を徹底解剖する! 『今週のJ2(http://www.totoone.jp/j2/)』はサッカーくじtoto予想サイト『totoONE(http://www.totoone.jp/)』にて好評連載中。
※本文中の「1」はホームチーム勝利、「0」は引き分け、「2」はアウェイチーム勝利。

■明治安田生命J2リーグ第6節
2018年3月25日(日)14時キックオフ
栃木SCvsロアッソ熊本(栃木県グリーンスタジアム)

■明治安田生命J2リーグ第6節
2018年3月25日(日)14時キックオフ
ツエーゲン金沢vsFC町田ゼルビア(石川県西部緑地公園陸上競技場)

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