2018.03.14

雪国クラブが迎える“Jリーグ開幕”…恒例行事の雪かき経て、山形が本拠地に帰ってくる!

2月24日、雪かきが始まる前のNDソフトスタジアム山形のメインスタンド
サッカーキング編集部

 3月17日、モンテディオ山形が今季のJリーグ“開幕戦”を迎える。

 J2リーグの開幕は2月25日だったが、雪深い県ということを鑑みて、本拠地NDソフトスタジアム山形での初戦が第4節となったため、約1カ月待った上での開幕戦というわけだ。

 2018年は寒波に見舞われ、日本各地で大雪のニュースが相次いだ。山形では大蔵村で4メートルを超える積雪が観測されるほど。北陸地方でも2月上旬に多くの車が降雪により足止めされる事態が連日報じられた。

 日本には四季があり、季節ごとに多様な姿を見せるので、暑い時期もあれば凍える時期もある。その中でスポーツを開催するとなれば、多くの知恵や努力、協力が必要となってくる。2月24日、全国でJ1リーグの開幕戦が行われた日、山形ではボランティアを募ってのスタジアムのスタンド席の雪かき作業が行われたので、編集部は実際に現地へ向かい、体験するとともに、地元の声を聞いた。

 両脇にうず高く寄せられた雪に挟まれた国道を通り、車でスタジアムに到着。駐車場は路面が凍り付いている場所もある。スタジアムに入ると見えてきたのは、グルっと一周、すべて真っ白な雪に覆われたスタンド席。

ゴール裏の大型ビジョンしたの席も真っ白(2月24日撮影)

 スタンド席は傾斜があり、常設席が並ぶため、機械で除雪するわけにいかないようで、ボランティアを募って、人海戦術で除雪をしていく。この除雪作業はもはやモンテディオ山形の開幕前の恒例行事、というわけだ。

 この日は除雪初日ということで、メインスタンドから作業スタート。午前の部に集まったのは約100名のサポーターで、各々がスコップ持参だ。例年との違いがあったのは、金属製のスコップ使用が認められたこと。座席部分の作業は慎重に進めることが求められたが、それだけ降雪量が多く、固い雪になっていた裏付けでもある。

 スタジアム内の他の箇所でも、トラック部分こそ雪が無い状態だったが、ピッチにも雪が積もり、あまりの量に重機を入れて除雪を実施するほど。芝を傷めるわけにはいかないので、上澄みの部分を取り除いた後は、スタジアム関係者が手作業で雪かきをしていく。

 スタンド席に目を移せば、例年参加しているサポーターの方たちが、慣れた手つきで雪面にトタン製の“川”を作っていく。斜面に川を作ることで、流しそうめんの要領で上流から下流に向かって、雪を流していく算段だ。スタンド席の下まで落としてしまえばトラック部分に重機を入れて、一気に除雪することができる。

スタンド席に置かれた“トタン製の川”

 スタンド席エリアでは移動するのも一苦労。座席や通路の区別がつかないほどに雪のまっすぐな斜面となっているため、少し重心を移動するだけで、通路部分に足がかかれば、膝くらいまでズボッと埋まってしまう深さだ。そんな中、ボランティアの方々はテキパキと、スコップを握る腕を動かしていく。

 10時に始まった作業は一度の休憩をはさんで、約2時間にわたって続けられ、その甲斐もあって、メインスタンド約4ブロック半の除雪が終了。作業中盤くらいからは大粒の雪が降り始め、萎えるような気持ちにもなったが、全員が黙々とスコップを持つ腕の動きが止まらない様を見ると、一体感を感じて支えになったことも事実だ。

 雪かき作業後、15年来の山形サポーターの男性に話を聞くと、「他の雪国のクラブさんでもそうですが、除雪をしないと開幕を迎えられないので、(雪国の)宿命なのかなと思います。ここで初めて今シーズンの顔合わせをする方もいます。久々にみんなで一つのことをやれる一体感は感じます」と、恒例行事化しつつある状況を説明してもらえた。

 雪かきに参加したモンテディオ山形の森谷俊雄社長も「今シーズンがいよいよ始まるという声をいただいて、ありがたい限りです」と感謝を口にする。

 山形は開幕後も千葉県でのキャンプを継続。本来の練習場に戻ってきたのは3月7日だ。しかも天然芝の練習場は雪が自然に溶けるのを待つため、人工芝グラウンドでの練習を現在も行っている。「雪国ならではの苦労はある」と話す森谷社長は「みんなで開幕の準備をして臨むという、これまでの歴史を重ねての今日のクラブがあります。それはクラブの大きな財産ですし、大きな力、支えにこれからもなっていくと感じます」と、力強く話してくれた。

ピッチ上も高く積もっているため、ある程度の量の雪は重機で対応

 雪国での苦難がある一方、昨年には、Jリーグで春秋制のシーズン運用体制から秋春制への移行が議論された。Jリーグの結論としては春秋制の継続を確認したことが村井満チェアマンの口からも発せられている。

 森谷社長は秋春制への移行について、「国際的なカレンダーに合わせていく考え方もありますが、雪国のクラブとして考えれば雪、そして寒さの問題があります。チームの問題もありますが、お客様の観戦環境、アクセスなどもありますので、ハードルは大きいと思います。冬でもサッカーを楽しめる環境が整うといいな、とは思いますが現実的には、まだまだ道のりはありますし、これが現実だと思います」と、ピッチ上以外の部分を踏まえても、難しい点が多いと話す。

インタビューに応じていただいた山形の森谷社長

 いよいよ週末にはNDソフトスタジアム山形にJリーグが帰ってくる。除雪作業は24日を皮切りに延べ5日間実施。3月10日にスタンド席の除雪がすべて終了し、無事17日に対戦する町田ゼルビアのサポーターを出迎える準備も整った。

 アウェーでの開幕3連戦は1勝1分1敗で終えた山形。「期待する選手は全員です。ともかくJ1復帰を」というサポーターの声に応えるためにも、2015年以来の一部昇格へ向けて、選手の活躍に期待したい。

取材=小松春生

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