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両ひざ手術で臨戦態勢は整った…昨季8得点の中村慶太、J1初挑戦の今季目標は「二ケタ得点」

2018.02.26

湘南戦に途中出場し、J1デビューを果たした長崎MF中村慶太 [写真]=J.LEAGUE

 J1リーグ戦デビューを飾る直前の80分、ハーフウェイライン横で交代の合図を待っていた時だった。V・ファーレン長崎は湘南ベルマーレの石川俊輝に1-2となる勝ち越しゴールを許し、戦況は変わった。直後の81分に“切り札”としてピッチに送りこまれるも、結局シュートのチャンスは訪れなかった。

 開幕戦で長崎は1点差の惜敗。中村慶太自身も決定的な仕事に絡むことができず、「もう少しプレーしたかった」と悔しさをにじませた。それでも、試合後は清々しい表情だった。J1デビューの喜びを噛みしめながら、これから始まる長いシーズンに胸が高鳴っているのだろう。思えば、沖縄キャンプでも、手術後ということもありチームとは別メニューだったが、顔つきは明るかった。


 昨年夏を過ぎたあたりにひざを痛め、精密検査を受けたところ、いわゆる「関節ネズミ」が両足に見つかったが、激しい痛みがなかったことからそのままプレーを続けた。結果、昨季は11ゴールのファンマに次ぐ、チーム2位の8ゴールをマーク。大きな自信を得た。その自信をより強固にするために、来季への不安を解消するために、中村はリーグ戦終了後の2017年11月22日に手術に踏み切った。

 迎えた新シーズン、1月の沖縄キャンプはリハビリに費やし、2月に入ってから本格的にチームに合流。まだわずかに痛みもあり可動域の制限もあってコンディションは万全ではない。もっとも、昨年から継続的に筋力強化を続けており、「思ったよりも体は動くし、あとは90分戦うゲーム体力だけ」と仕上がりには自信を見せる。「シーズンオフも長崎に残ってトレーナーと一緒に体幹トレーニングや筋トレを続けた。全体的に鍛えて、速さを維持しながら当たり負けしないパワーを上乗せできた」

 流通経済大学から長崎に加入して3年目。J1開幕戦の湘南戦では、高校、大学、そしてプロと同じ道を歩む田上大地がクラブのJ1初得点を記録しており、その闘志の炎はさらに燃え上がっていることだろう。今季の目標は「二ケタ得点」と言いきる。開幕前、高木琢也監督との面談でも「二ケタ得点を目指してほしい」と期待を掛けられたという。

「一昨年は2点しか取れず、これじゃダメだなと。自分の中で心境の変化があり、より得点を意識するようになって昨シーズンは8点取ることができた。今シーズンも貪欲に、味方と連係しながら自分の良さをもっと出していきたい」

 次節は3月3日、ホーム開幕戦でサガン鳥栖との“九州ダービー”を戦う。昨シーズンJ2で覇権を争った湘南とのゲームでは、本音を言えば“J1”を感じることができなかった。同じ九州勢にして意外にも初対戦となるJ1常連クラブとのバトルは、否が応でも最高峰の雰囲気をひしひしと感じるだろう。「この試合でJ1で戦っているという実感も沸くだろうし、しっかり結果を残したい」

文=安田勇斗

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