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【湘南vs長崎プレビュー】昨季ともにJ1昇格を果たしたクラブ同士の激突…長崎は“挑戦者”として初J1を戦う

2018.02.23

長崎を率いる高木琢也監督は地元出身。クラブ史上初となるJ1の舞台でどんな采配を見せるのか、注目が集まる [写真]=J.LEAGUE

湘南ベルマーレ 成熟の域に達した曺貴裁体制、チーム作りは順調

【プラス材料】
 実績ある選手や将来有望な若手など、伸びしろ豊かなメンバーが今季新たに加わった。就任7年目を迎える曺貴裁監督の指揮の下、クラブとして大切にする攻撃的なマインドは語る以前に浸透し、かたやポジション争いは激しく、スタメン予想が極めて難しいほどに競争と切磋琢磨が始動から繰り広げられている。

 昨年に引き続き行ったスペインキャンプでは、デンマークやスペインなどの一部リーグを戦うクラブと肌を合わせ、帰国後も磐田らJリーグの強豪と対戦するなど、今季標榜する「ALIVE」、すなわち攻守に係わり続けるスタイルを実戦を通じて育んできた。と同時に、相手の時間帯を粘り強く受け止める術も心得ている。


 走力や球際、責任感など勝つために欠かせぬベースを共有しながら、チーム作りは順調に進められている。

【マイナス材料】
 今節迎える長崎とはこれまで、2014年と2017年にJ2で対戦し、2勝1分1敗と勝ち越している。1敗は2014年に記したものだが、J2優勝を決めた直後の対戦だったため、メンタル的な難しさは否めなかった。加えて昨季は1勝1分と、相性としては悪くないと言えるだろう。

 ただ、J1での開幕節に限ると、湘南の成績は芳しくない。曺監督の下で初めてJ1に臨んだ2013年はアウェイで横浜Mに、2015年はホームで浦和に、2016年もホームで新潟にそれぞれ敗れている。白星発進がないのだ。

 チームは新陳代謝を繰り返し、メンバーも入れ替わっているため、対戦成績や過去の傾向はもちろん参考程度に過ぎない。なにより、開幕節特有の雰囲気にも動じることなくゲームに入れたチームが、より勝利に近付くに違いない。

文:隈元大吾

V・ファーレン長崎 J1昇格を決めた昨季のチームがベース

【プラス材料】
 昨季J1昇格を達成したメンバーとシステムをベースに、始動日から意識して早めにチーム作りを進めてきたことで状態は良好だ。

 アウェイでの開幕節ということで独特の緊張感はあるものの、相手がJ2でも対戦経験がある湘南であることや、開幕2日前からのトレーニングを完全非公開として選手たちが試合に集中しやすい環境を作ったことで、チームのムードも上手く高まっている。なかでもFWファンマ、MFベン・ハロラン、FW澤田崇ら攻撃陣は強さとスピードを生かしてトレーニングマッチでも好調さを見せており、期待は高い。

 交代出場からでも得点を狙えるMF中村慶太、FW鈴木武蔵の存在も好材料と言えるだろう。“挑戦者”として思い切った戦いができるはずだ。

【マイナス材料】
 故障や戦術理解などの問題もあって、DF徳永悠平とハロランを除いてMF黒木聖仁、DFチェ・キュベックら主力候補を含む新加入選手の多くが開幕節のスタメンに食い込めなかった。また、J1でのプレー経験が少ない選手が多いため、初のJ1というプレッシャーのなかで、トレーニング通りの力を出すことができるのかという不安も残る。

 チームは開幕節を重要な試合と位置付けており、手堅く計算できる昨季のメンバーを中心に挑むつもりだが、早い時間帯に失点してしまえば逆に浮き足立ってしまう可能性もある。その場合、ゲームの流れを一気に変えられるような選手がいないため、受け身の試合展開となってしまいかねない。

文:totoONE編集部

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