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今季“不振”のFC東京とG大阪、来季につながる白熱した試合を

2017.12.01

 今季の明治安田生命J1リーグも最終節。FC東京ガンバ大阪をホームの味の素スタジアムに迎える。開幕前の時点では上位同士の対戦にすることが期待されたが、FC東京は13位、G大阪は10位と戦力的には不本意な成績。ここ最近の結果が振るわないことも共通する。しかし、この最終節を勝利で終えることはワールドカップイヤーとなる来季に向けても非常に重要だ。


 両者は第3節にG大阪ホームの吹田スタジアムで対戦し、ホームチームがアデミウソンの先制ゴールを皮切りに、倉田秋の豪快なシュートによる追加点、さらにオウンゴールで3点目を奪って完勝した。ただ、G大阪は当時の「3-5-2」から「4-3-1-2」(「4-2-3-1」も併用)に変わり、FC東京は監督が篠田善之前監督から安間貴義監督に代わり、「3-4-2-1」をベースとして、よりポゼッションを意識したスタイルに移行している。

 どちらも中盤で主導権を握りたいところだが、より生命線になるのはホームのFC東京だ。G 大阪は中盤からの組み立てをベースとしながら、状況に応じて割り切った速攻や長いボールを織り交ぜた戦い方もできる。一方のFC東京は中盤のリズムが悪くなると中途半端なボールロストが増え、ショートカウンターを食らいやすくなる傾向が強い。

 生命線となるのは橋本拳人と東慶悟が組むと見られるボランチで、そこに日本代表MFの井手口陽介や倉田秋がプレッシャーをかけてくるところをどういなし、髙萩洋次郎を起点とした仕掛けにつなげていくかが生命線となる。一方のG大阪はベテランの遠藤保仁をアクセント役に、豊富なFW陣をどう生かしていくかがカギを握る。

 G大阪はチーム最多のリーグ戦10得点を挙げる長身FW長沢駿をはじめ、勝負強い呉屋大翔、アクロバティックなフィニッシュを得意とする赤﨑秀平、俊足で2列目やサイドもこなす20歳の髙木彰人、「4-2-3-1」なら左サイドから鋭いカットインや右足でDFラインとGKの間に入れるクロスが武器の泉澤仁もスタメン候補になる。

 FC東京もピーター・ウタカ、大久保嘉人、前田遼一と1トップの選択肢がある中で、安間監督が誰に先発を託すか。3人とも好調なら主力で攻撃を牽引できる実力者だが、なかなかパフォーマンスが高いレベルで安定しておらず、最終節も指揮官の見極めどころとなりそうだ。第一の得点源は彼らだが、流れが向けばボランチながら今季6得点の橋本のミドルシュートもゴールの可能性が高まる。

 この試合は2002年の加入からFC東京を支えた石川直宏の現役最後の試合となる可能性が高い(FC東京はU-23の試合が翌日にあるため、そちらも選択肢に)。また、FC東京に15年間在籍した徳永悠平は初のJ2昇格を決めた地元のV・ファーレン長崎へ完全移籍することが発表されており、彼も青赤のユニフォームを着ての最終戦となる。

 一方でG大阪も長谷川健太監督の退任が決定済。ベテランGK藤ヶ谷陽介も今季限りで引退することを発表した。来季に向けてそれぞれが新体制への移行も進める中、AFCチャンピオンズリーグ出場権やJ2降格がかからないからと言って、単なる“花試合”とするのではなく、白熱した試合を繰り広げることで観る者の記憶に残る試合になることを期待する。

文=河治良幸

By サッカーキング編集部

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