2017.11.25

【ライターコラムfrom福岡】異例の事態もポジティブ転換…“九州一丸”となって2年ぶりJ1の舞台へ

井原正巳
J1昇格プレーオフを制した2015年を再現できるか [写真]=JL/Getty Images for DAZN
大学卒業後、雑誌編集者を経て2005年よりフリーランスとして活動中。九州を拠点にサッカーほか、陸上など幅広く取材。1児の母としても奮闘中。

 2年ぶりのJ1昇格プレーオフに臨むアビスパ福岡だが、「2年前とは勢いが違うと思う。気を引き締めて戦いたい」と、駒野友一は話す。明治安田生命J2リーグのラスト2試合は、ともに先制しながらドローに終わった。逆に対戦する東京ヴェルディは、プレーオフ進出をかけた最終節で徳島ヴォルティスに勝利し、2連勝と勢いに乗って来る。

 さらに駒野自身には、プレーオフでの苦い経験もあった。ジュビロ磐田時代の2014年。準決勝でモンテディオ山形と対戦した磐田は1-1で折り返すも、後半アディショナルタイムにCKから山形に決勝点を挙げられ、J1昇格を逃した。駒野は「リーグ戦とは違う“1点の重み”がある」と当時を振り返り、「まずは気持ちの部分で負けないようにしたい」と続けた。

 東京Vについて、井原正巳監督は「基本的には守備のチーム」と印象を語る。リーグ戦で年間35得点を挙げているドウグラス・ヴィエイラとアラン・ピニェイロといったゴールハンターに注目が集まる一方で、「(東京Vは)中盤3枚のアグレッシブな守備が効いているし、チームとしてしっかりオーガナイズされている。アウェイ(第39節/0-0)で戦ったときも、その中盤に手こずった」と、井原監督は東京Vの守備力を対戦のポイントに挙げた。福岡がリーグ戦の終盤10試合で無得点に終わった試合は2試合だが、そのうちの一つが東京V戦。受け身にならず、攻撃で主導権を握るために、「ボールを奪った後の1本目のパスの精度にこだわりたい」とは駒野。

城後寿

東京Vの手堅い守備を最後まで攻略できず [写真]=Getty Images

 福岡は、ホームのレベルファイブスタジアムが改修工事中のため、ロアッソ熊本の本拠地・えがお健康スタジアムでのプレーオフ開催が決定した。「本音を言えば、レベスタでやりたかった」と話す選手が多いのも事実だが、そういったネガティブ要素をすべて跳ね除けて、井原監督は「せっかく熊本さんにスタジアムを貸していただいたので、勝利しなければ」とポジティブな雰囲気を漂わせる。

 クラブもまた20日に、『九州のサッカーファミリーの皆さまへ』と題した川森敬史社長のコメントを発表し、同じ九州のV・ファーレン長崎のJ1昇格を祝すとともに、九州内の他クラブのサポーターへ向け、プレーオフでの福岡への後押しを呼びかけた。当日はスタジアムのゴール裏に“九州サッカーファミリーエリア”を設け、福岡以外の(九州のチームの)ユニフォームを着用したサポーターも応援しやすいように配慮するという。


 
 ホームスタジアムが使用できず、九州内の他クラブに協力を求めざるを得なかった状況をポジティブに捉え、クラブは『史上初のJ1九州3チームへ!』という合言葉につなげた。さまざまな要素をポジティブなエネルギーに転換し、2年ぶりのJ1へと突き進む。

文=新甫條利子

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