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【ライターコラムfrom鳥栖】小学生時代以来のゲームキャプテンになり、自然に芽生え始めた吉田豊のキャプテンシー

2017.10.13

今季はゲームキャプテンを務めることが多い吉田豊 [写真]=JL/Getty Images for DAZN

 今季開幕前、サガン鳥栖の副キャプテンになった吉田豊。それについて「キャプテンなんて小学生のとき以来。副キャプテンになったからといって特別何かが変わることはないです。あまり意識していません」などと話していた。

 その言葉どおり、プレーはこれまでと変わらず、鳥栖不動の左サイドバックとして献身的なプレーを続けている。特に、腰の入ったディフェンスで相手のドリブルなどを食い止めると「吉田! 吉田!」の大コールがベストアメニティスタジアムに響き渡る。


 今季途中からはゲームキャプテンを務めることも多く、ピッチ上の振る舞いもキャプテンらしくなってきたように見える。それについて聞くと「(以前と比べて)変わっているつもりはないですけど、周りのことを見るようになったかなぁ?」と自覚はないようだ。それでも、「意識していなくてもどこかで意識しているんでしょうね。それは多少あると思います。これまでとやっていることは変わらないんですけど、試合中に流れが悪いなと感じたら近くにいるスン(チョン・スンヒョン)ちゃんやリキ(原川力)に声をかけ、これまでよりひと言多めに言っていることがあります。それも意識しているわけじゃないですけど。良い意味で、自然に話すようになりました」と笑顔で話してくれた。

 今年27歳になり、選手としてハードワークや両足から放つクロスなどプレーの質が向上するだけでなく、副キャプテンやゲームキャプテンを務めてメンタル面も益々充実する時期を迎えつつある。今週末は、ロンドン五輪のアジア最終予選など世代別代表でともに戦ったかつてのチームメートを多数擁するセレッソ大阪と対戦する。なかでも、鳥栖でチームメートだった水沼宏太とマッチアップすることについて聞くと、「楽しみですね。彼も進化していますし、僕も進化していますから。サイドで主導権を握るために負けられないし楽しみです」と対戦を心待ちにしている様子。

 ひたむきに上下動を繰り返す左SBとしてだけではなく、試合展開やチームメートの状況を察知しながら、その局面で最適な判断ができるキャプテンシーも備わってきているだけに、これからの吉田豊にはさらに注目してほしい。

文=荒木英喜

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