2017.09.29

【ライターコラムfrom川崎】代表選出で注目の車屋紳太郎…その一列前で“違い”を生み出す長谷川竜也

長谷川竜也
個の力で違いを生み出すことができる長谷川竜也 [写真]=JL/Getty Images for DAZN
川崎フロンターレの取材を中心に活動。将棋界にも精通。著書に「将棋でサッカーが面白くなる本」(朝日新聞出版)。「川崎フロンターレあるある1&2」、「将棋ファンあるある」(TOブックス)。「サッカー脳を育む」(中村憲剛/ぴあ)では企画&構成も担当。将棋はアマ三段(日本将棋連盟三段免状所有)。

 2位の川崎フロンターレにとって、首位・鹿島アントラーズに勝ち点差でこれ以上離されるわけにはいかない状況なのは言うまでもない。さらに4位・セレッソ大阪との直接対決であり、優勝争いから脱落しないためにも重要な一戦となる。

 そのC大阪戦、左サイドハーフでの先発が予想されているのが長谷川竜也だ。

 無得点に終わったヴィッセル神戸戦では、試合終盤に途中交代で出場。左サイドでボールを持つと、果敢に縦の突破を仕掛ける。そして長谷川が左サイドで攻撃の時間を作ることで、中村憲剛や森谷賢太郎が中央や右サイドに展開してフィニュシュの形を作り出していくという、いつものフロンターレの攻撃のテンポが生まれてきたのである。ボールのバウンドが変わり、パスワークの出しにくいグラウンド状態に苦戦していた中、「つなぐ」のではなく「運ぶ」というプレーで違いを出すことでチームの攻撃のアクセントとなっていた存在だったと言える。試合後、この試合での自分の持ち味を明確にこう語っていた。

「(パスを)つなぐのだったら、自分は出る必要ないので。つなぎで違いを出すのではなく、ドリブルだったり、背後に抜ける動き、スピードの部分ですね。一対一の仕掛けをやっていこうと思って入りました。グラウンドのせいにしてはいけないが、今日はそこを上回る精度がなかった」

 前々節の清水エスパルス戦で先発した長谷川は、縦の突破ではなく、中央でボールを受けるプレーでリズムを生むことを心がけていた。小林悠が決めた2点目のゴールがそうで、長谷川がブロックの間で受けることで相手のサイドバックを食いつかせて、その空いたスペースをオーバーラップした左サイドバックの車屋紳太郎が使い、クロスを配給して得点に結びついている。

小林悠

清水戦では小林(右)のゴールに絡んだ長谷川(左) [写真]=JL/Getty Images for DAZN

 しかし、この神戸戦では左サイドで構えて個人技での突破に専念していた印象だ。車屋はこんな狙いがあったと明かす。

「タツヤは、いつもは中でスタートすることが多かったけど、今日はサイドに張っていた。本人に聞いたら『仕掛けたい』ということだった。だったら(サイドに)張ったままにしてもらってシンプルに預ける。そして自分は、それ(左サイドの外側)を回ったりという形を意識しました」(車屋紳太郎)
 
 前節神戸戦のアディショナルタイムでのラストチャンスも、長谷川の左サイドでの仕掛けがファウルを誘って与えられたセットプレーだった。自分が囮になって周りをうまく使うプレーだけではなく、個人での仕掛けで相手守備陣に怖さを与えることもできている。やはり左サイドの仕掛けには注目だ。

 前節無得点に終わり、連続得点記録が4でストップしてしまった小林悠も、このC大阪戦に向けては、長谷川の突破からのお膳立てにこんな期待を寄せる。

「タツヤはドリブル突破が武器。ちょこちょこ動いてくれるので相手は嫌がると思う。スピードもあるし運動量もある。左から突破したときにどうクロスが入るか。自分はあいつにアシストをしている回数が多いんですよ。だから、たまにはアシストしろよって言っておきました(笑)」

 この試合、日本代表メンバーに選出された左サイドバック・車屋のプレーには大きな注目が集まるだろう。だが、その一列前にいる小柄なドリブラー・長谷川竜也にもぜひ注目してほしい。

文=いしかわごう

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