今季初ゴールを決めた大島 [写真]=JL/Getty Images for DAZN
「周りからもすごく言われていたし、ようやく(ゴールが)取れたというのはありますけど、僕が取らなくてもチームが優勝できればいいので、あまりこだわり過ぎずにというのはあります。でも、やっぱりゴールを取ったらうれしい」
阿部浩之のパスを小林悠がチェストで落とすも、相手DFがクリア。こぼれてきたボールを右足のインサイドで合わせたのが、大島僚太だった。「一応狙ったけど、うまく入ったなと思います」。14分の先制点は、相手GKの指先をかすめてゴール右隅へ突き刺さる。大島にとっては、今季のリーグ戦初ゴールだった。
喜びを隠し切れずにエウシーニョに飛び着くと、満面の笑みを見せた大島。「珍しく喜んでいたので、相当うれしかったんじゃないかな」と小林も、後輩の今季リーグ初ゴールを喜んだ。今週のトレーニングでも「どんどん打っていけよ」とアドバイスしていたようで、「ボランチの位置からゴールを奪えるようになると、もっといい選手になると思う」と大島の成長に期待を寄せた。
ただ、期待されたゴール後のパフォーマンスはなし。追加点を挙げた小林悠や家長昭博が、次々とウサイン・ボルト氏の「ライトニング・ボルト」ポーズを披露したため、取材エリアでその話題になったが、「みんなは何でやっていたんですか(笑)?」と逆質問。やる予定は「全くなかった」とはにかんだ。
「試合前に『決めたら……』とかを考えたことはないので。今日はまさかのタイミングで決めちゃったので、逆に言えば(苦笑)。ただ、悠さんが『やってんな〜』とは思いましたけどね(笑)」
この日の大島は、まさに獅子奮迅の活躍だった。14分に先制点を決めると、守備でも光る。攻から守への切り替えが速く、ボールホルダーへの素早い寄せで相手の攻撃の芽を摘んだ。「ほとんど相手がコントロールミスしたところのカットだった」と本人は謙遜したが、「そこで抜かれないことが大事なのかな」と手応えを口にした。
川崎にとっては4試合ぶりの無失点。「最後の失点がもったいないなと思っていた」とゲームコントロールが課題に挙げられていた中で、「ゼロで終われて良かった」と大島。「ルヴァンカップもそうですけど、次のACLは(第1戦で)アウェイゴールを取られているので、戦い方は大事だなと思います」。
ついに首位・鹿島アントラーズの背中が見えた。残り試合9試合で、首位との勝点差は6。簡単ではないが、不可能ではない。リーグ初優勝に向けて、ここから前進あるのみだ。
By サッカーキング編集部
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