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昇格戦線生き残りへ…千葉FW清武、次節湘南戦も「自分たちのサッカーに持ちこむ」

2017.08.12

山口戦で今季11点目のゴールを決めた清武 [写真]=Jリーグフォト

 まだ終わらない。終わらせない。勝利への執念が、清武功暉の劇的決勝弾を呼び込んだ。

 11日に行われた明治安田生命J2リーグ第27節、ジェフユナイテッド千葉vsレノファ山口FC戦は、1-1の同点で4分間のアディショナルタイムに入った。


 千葉にとっては予想以上に苦しいゲームとなった。前半は個々のミスが多く、「それぞれが孤立してしまい、チームとして機能していなかった」(清武)。ハーフタイムに意志の統一を図り、後半は立ち上がりから流れをつかんだものの、得点は57分に町田也真人が挙げた1点止まり。そして89分にPKを与えて失点。54分の絶好機を外していた清武は、同点に持ち込まれたことに大きな責任を感じていた。

「ラリ(ラリベイ)がせっかく良いボールをくれたのに外してしまった。本当に決めないといけなかったし、チームとして楽に試合を進めないといけなかった。悔しかったし、絶対取り返してやろうと思っていた」

 また、同点弾を決めたのが大分トリニータU-18と福岡大学時代にチームメイトだった岸田和人であったことも、「カズが1点決めたので、ライバルとして僕も負けられない」と清武を刺激した。そして90+3分、再び訪れた絶好のチャンス。清武は至って冷静だった。

「タメ(為田大貴)がクロス上げる時にドゥーさん(近藤直也)が折り返すのは分かっていた。落ち着いて見えていたし、柔らかい良いボールをくれたので、うまく流し込めたと思う」

 右からのクロスボールを指宿洋史、近藤が頭でつなぐと、最後は清武がコースを狙ったヘディングシュートで押し込んだ。ガッツポーズをしたままスライディングで倒れた清武の上にチームメイトが次々と覆いかぶさり、フクダ電子アリーナは歓喜の渦に包まれた。

「ベンチメンバーも出てきてみんな喜んでくれたので良かった。久々の得点だし、あの時間帯に取れたのは本当にうれしいし、チーム全体が良い流れに乗れると思う」

 前節終了時点で10位だった千葉にとって今節は、昇格戦線に踏みとどまるために「連勝しなきゃいけないし、引き分けでは痛い」(清武)状況だった。山口を2-1で下し、10位から暫定7位に浮上。3位徳島ヴォルティスとの勝ち点差はわずか「2」と迫った。次節は首位湘南ベルマーレをホームに迎え撃つ。

「相手はよく走ってハードワークするチームなので、僕たちはしっかりと前からプレスをかけて相手の自由を奪って、自分たちのサッカーに持ちこみたい。相手も前からプレスをかけてくるので、無理につないでカウンターを食らうよりも、シンプルなサッカーをすれば全然やれると思う」(清武)

 フクアリでのリーグ戦は現在4連勝中で、開幕から8勝5分けと13試合無敗を誇る。得意のホームで、首位相手にも臆することなく勝利を目指す。

By 平柳麻衣

静岡を拠点に活動するフリーライター。清水エスパルスを中心に、高校・大学サッカーまで幅広く取材。

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