神戸のポドルスキは試合を重ねるごとにコンディションを上げている。前線からの守備にも貢献する [写真]=J.LEAGUE PHOTOS
■FC東京 DFチャン・ヒョンスが守備陣をけん引
【プラス材料】
リーグ戦第20節までに挙げた白星は、すべて完封によるもの。1失点でも喫したゲームでは、勝利をつかめていなかった。だが前節は、一度は同点に追い付かれたが、大久保嘉人のテクニカルなゴールで勝ち越し、リーグ7試合ぶりの勝ち点3を手にした。
失点を喫しても、そこで崩れることなく立て直しを図れた要因の1つとして、チャン・ヒョンスの存在が挙げられる。今夏、4年ぶりにチームに復帰後、初出場を果たしたチャンだが、3バックのセンターとして守備陣をけん引。それだけでなく、試合終盤には彼を中盤に上げ、アンカーの髙萩洋次郎が一列前でプレーする時間帯もあり、チームのバリエーションを広げている。
また、前田遼一にようやく今季リーグ初ゴールが生まれたことも明るい材料だ。
【マイナス材料】
3試合連続で相手のFKとCKから失点を喫しており、セットプレーに対する守備の改善は急務だ。ただし、この3連戦では攻撃陣、守備陣共に、各々のコンディションを重視し、メンバーを固定せずに臨んできたため、組織としての整備を高めていくにはまだ連係不足と言えるだろう。
暑さのもとでの3連戦を乗りきるために、前節は徳永悠平や、ピーター・ウタカを「休ませる」形でやり繰りをしてきた。次節も先発メンバーは流動的だが、中盤の髙萩、橋本拳人、室屋成らは、替えが効かない存在。その疲労回復具合は気掛かりだ。
ホーム味スタでのリーグ戦は、4月30日の広島戦を最後に勝利をつかめていない点も不安要素と言える。
文:totoONE編集部
■ヴィッセル神戸 ボランチの高橋秀人と藤田直之が復帰
【プラス材料】
2連敗中だが、プラス材料は多い。
まず、ポドルスキが試合を重ねるごとにコンディションを上げ、前線からのプレッシングにも意欲的に加わるようになった。そしてボランチの高橋秀人と藤田直之が復帰しリーグ前節の鹿島戦で90分間プレーした。1-2で敗れたものの、高橋が絶妙なポジショニングで相手のパスワークを狂わすと、藤田はボールを散らしながら攻撃にスイッチを入れるなど本来の実力を発揮した。右サイドバック藤谷壮がスタメン起用され、何度も駆け上がってチャンスメイクするなど選手層の厚さも見せつけた。
また、今季開幕戦でけがを負い、治療に専念するために母国ブラジルに帰っていたレアンドロが再来日。神戸でのリハビリ生活は続くが、ポジティブな要素と言える。
【マイナス材料】
リーグ前々節の柏戦に続き、前節の鹿島戦にも敗れた。両試合とも先制点を奪いながら逆転負けを喫し、ゲーム運びに課題が残った。
ポドルスキ自身のコンディションは上がっているものの、周りとの連系はまだまだ。追加点が奪えると主導権を握れるだろうが、それがなかなか難しい。守備では前線からプレッシングをはめ切れていないことで、しわ寄せが最終ラインに来ていると思われる。全員守備を徹底する必要があるだろう。
また、ポドルスキと同時期に移籍加入した元日本代表FWのハーフナー・マイクが前節の鹿島戦で神戸デビュー。だが、なかなかチームにフィットしないまま試合が終わった。“ジョーカー”のチームへの順応が待たれる。
文:totoONE編集部