2017.07.20

【ライターコラムfrom岡山】そのポテンシャル、無限大…確かな存在感を示し始めた塚川孝輝

今季、流通経済大から岡山に加入した塚川孝輝 [写真]=J.LEAGUE PHOTOS
『J参入初年度からファジアーノを追いかけて9年目。広島と岡山を行き来しながら『EL G0LAZO』等で記事を執筆し、選手たち熱き想いを届けるWEBマガジン『ファジラボ』を運営中。』

 明治安田生命J2リーグ第23節ツエーゲン金沢戦でCKに合わせてダイナミックに飛び込み先制点を挙げた塚川孝輝は、ミックスゾーンで充実感に包まれていた。翌日に23回目のバースデーを控え、「ちょっと早目のプレゼントですけど最高ですね。こうやって誕生日のあたりに自分で決めるのなんて初めてなんでうれしいです」と初々しい笑みをこぼし、力強く23歳の抱負を語った。

「日々成長していけるようにもっともっと上のレベルのプレーヤーになれるようにやっていきたいです。それで岡山にもっと貢献できるプレーヤーになりたい。後半戦はチームとして上位に食らいついていきたいし、そのチームの中心になれるように頑張りたいです」

金沢戦で豪快な一撃を叩き込む [写真]=J.LEAGUE PHOTOS

 今季、流通経済大学から加入したルーキーは、一歩一歩着実に前進を続けている。第2節ロアッソ熊本戦に途中出場してJリーグデビューを果たすと第6節東京ヴェルディ戦で初スタメンを果たし、第12節徳島ヴォルティス戦でJリーグ初ゴールを記録した。第23節終了時点で18試合出場2得点。最初はシャドーで前線を掻き回す役割を託されていたが、現在は本人が最も望むポジションのボランチで先発の座を勝ち取り、攻守に奮闘して存在感を高めているところだ。

 184cmの長身で足元の技術は正確。DFとしてもアタッカーとしてもプレーできるオールラウンドな能力を持つ塚川は様々な魅力を放つが、中でもボールを奪取して攻撃へつなげていくプレーが魅力的だ。フィジカルコンタクトの強さを生かして相手に身体をぶつけながらボールを奪い切り、すぐさま攻撃へと転じていくプレーはチームにアグレッシブさをもたらす。長い距離を走ってゴール前へ走り込んでいくプレーも持ち味で、シュートは力む傾向にあるもののチャンスを嗅ぎ分ける能力も非凡だ。

 23歳になったルーキーは様々なポテンシャルを秘めた逸材だが、プレーに波があることも確か。塚川に対しるコメントを記者陣に求められた時の長澤徹監督は、「晴れの日もあれば土砂降りの日もある。1試合だけじゃなくて年間を通して評価しないと」と常に手厳しい。ただ、それは本人も自覚しており、シーズンの半分を戦って感じた課題をこう話す。

「できたときとできないときの波がある。波をなくしていかないといけないと思いますし、J2は縦に速いんで一瞬のミスからでも失点してしまう。集中力の大事さをすごく感じています」

課題はあるものの、徐々に存在感を増してきている [写真]=J.LEAGUE PHOTOS

 ムラッ気がプレーに現れてしまうところは大学時代から再々指摘されてきたところで、大学の先輩である澤口雅彦に後輩へのアドバイスをお願いすると、「思い切ってやっていると思うし、どんどん思い切ってやればいいでしょ」としつつ、「アイツはまず挨拶からですね。そこからでしょう」と笑いながらたしなめた。どこか抜けたところがある社会人一年生なのだが、そこが塚川というプレーヤーのポテンシャルを図らせない魅力につながっているところもある。

 これから1試合の重みが増しワンプレーの重要性も高まってくるリーグ後半戦を戦う中で、ルーキーは多くのことを感じ学びながら前進していくことは間違いない。果たして、どんなところの伸びしろがどこまで引き出されていくだろうか。ひとまず、今シーズンが終わった時を楽しみにしたい。

文=寺田弘幸

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