柏好文(右)とマッチアップした駒井善成 [写真]=JL/Getty Images for DAZN
3-3で迎えた後半アディショナルタイム。
浦和レッズの左ウイングバック関根貴大が、緩急をつけたドリブルで広島の守備陣を翻弄すると、最後は右足で豪快にニアサイドを打ち抜いた。
試合終了のホイッスルが鳴り、スタジアムが歓喜に沸く中、右ウイングバックの駒井善成がピッチに倒れ込んで天を仰いだ。
「正直、言い訳かもしれないですけど、俺の今のこの体では、柏(好文)選手は無理ですね。万全の状態だったらたぶんいけましたけど、ほんまに痛いです。座薬入れて、痛み止め飲んでも痛いから。結構前半から痛くて、で、対面が柏選手だったんで、きつかったです」
駒井は同サイドで柏好文と対峙。守備に追われ、柏のドリブル突破を許す場面も見受けられた。
時折つらそうな表情を見せながら、駒井がチームの苦しい状況を説明する。
「ウガくん(宇賀神友弥)もケガしてたり、ウメくん(梅崎司)も腰に痛みを抱えてたりして、出ないといけない状況だったんで。もう気合いでやろうと思っていたんですけど、やっぱりきつかったです」
チームメイトのコンディションが万全ではなく、復帰の目処が立っていないため、ここで休むわけにはいかない。
浦和がかつて見せていた圧倒的な強さを取り戻すために、駒井はこれからも走り続ける。
文=大西徹