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豪快ミドルで移籍後初ゴール…山中亮輔がシュートを選択した“二つの理由”

2017.07.01

移籍後初ゴールを挙げた山中亮輔 [写真]=JL/Getty Images for DAZN

 ヒーローインタビューを受けていた山中亮輔は、チームメイトから遅れて急いでゴール裏へ向かった。アウェイゴール裏に詰め掛けたたくさんのファン・サポーターの声援に応えると、「やまなか〜よこはま〜」のコールがNACK5スタジアム大宮に響き渡った。

 1点リードで迎えた68分だった。ハーフウェイラインよりやや相手陣内でボールを奪うと、そのままドリブルで持ち上がりつつ、チラッと中を見る。「(齋藤)学くんが呼んでいるのは見えたけど、前が空いていたので、思い切って狙おうと思った」と、山中は豪快に左足を振り抜いた。


 本人いわく「クロスの選択肢もあったけど……」。しかし、山中が選択したのは自らのシュートだった。その理由が、発した言葉に見え隠れする。一つは、「自分はミドルを得意としている」から。恐らく自信があったのだろう、「あそこ1本出たのは良かった」と振り返っている。

 そしてもう一つが、ようやくつかんだ定位置を手放したくない思いから。この日のヒーローはキー局に始まり、地方局、そしてペン記者と多くのメディアに囲まれた。そのすべてで語っていたのが、「僕のポジションは競争が激しいから負けられない」ということだった。

「ポジション争いが激しくて、僕のポジションもいい選手しかいない。今は試合に出ていますけど、少しでも悪いプレーをしたらすぐに代えられてしまう危機感しかない。必死にやるだけですし、本当に(ポジションを)取られないようにガムシャラにしがみついてやるだけ」

 今季はケガで出遅れた。出場機会を得たJリーグYBCルヴァンカップで少しずつ自分の良さを出していくと、そこから引き揚げられたリーグ戦ではあっという間に持ち味を披露した。先発2試合目となった前節のヴィッセル神戸戦では、先制弾を挙げた中町公祐のゴールを精度の高い完璧なクロスでお膳立て。そして今節では得意のミドルシュートを決めてみせた。

“見たか!”と、言わんばかりのゴール後のパフォーマンス。ど派手なジャンピングガッツポーズのあとは、飛び付いてきた中町に押し倒され、チームメイトたちの手荒な祝福を受けたが、「ああいうのは嬉しいですね。ベンチの選手も喜んでくれていたみたいで、『なんで来てくれなかったんだ』と言われたので、今度点を決めたら行こうと思います」と嬉しそうだった。


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