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復帰戦でゴールの横浜FM富樫敬真、“ちょっと変わった”トレーナーに感謝

2017.06.04

復帰戦でゴールをマークした富樫敬真 [写真]=JL/Getty Images for DAZN

 華麗なリーグ復帰戦だった。83分に先制点を挙げたウーゴ・ヴィエイラに代わってピッチに投入されると、その1分後に見せた。GK飯倉大樹のゴールキックに追い付いたマルティノスがクロスを挙げる。そこに入ってきたのが富樫敬真だった。

「(齋藤)学くんに相手が引き寄せられていたので、自分がフリーになるとなんとなく分かっていた。それでマルちゃん(マルティノス)とコンタクトを取れていて、すごくいいボールが来たし、相手GKも出るしかなかったので、イメージどおり」


 マルティノスからのボールが出た瞬間、相手GKが前に出てきたところを見逃さなかった。右足を振り切ることなく、落ち着いてボールにちょこんと当てる。相手GKの頭上をボールが弧を描いて、ゴールに吸い込まれた。

 肉離れを起こし、戦線離脱したのは4月中旬のことだった。その後、復帰間近での再発。そんな自分自身のふがいなさに頭を丸めた。それで何かが解決するわけでなかったが、切り替えるためのスイッチが必要だったのかもしれない。

「プロになってここまで離脱したのは初めてだったし、アマチュアの頃とは違っていろいろな感情も芽生えてきた。チームメイトや友人、いろいろな人が応援してくれたので、それなしでは厳しかった」と当時の苦しさを吐露した。

 それでも、富樫には献身的にリハビリをサポートしてくれた“ちょっと変わった”日暮清チーフトレーナーがいた。「日暮トレーナーはリハビリ時の、太ももの筋肉の数値を見ながらお酒を飲むぐらい変態なので(笑)、まずい酒を飲ませることはできないと思っていた。いい状態でケガなくゴールを決めてというのは、うまい酒が飲めるという話だったので良かったかなと思う」

 ファーストタッチでのゴールというなかなか派手なゴールに、「僕は約3カ月ぶりに出て、ファーストタッチで点を決めるほど特別な選手じゃないので」と本人は謙遜したが、「今回ばかりは日暮トレーナー筆頭に、F・マリノスのトレーナー陣が最善を尽くしてくれたので、トレーナーが特別なんだと感じた」と感謝の言葉を述べた。

 12試合ぶりのリーグ戦復帰、そして12試合ぶりのリーグ戦でのゴールに、ど派手なゴールパフォーマンスこそなかったが、待ちくたびれたゴール裏のサポーターに向けて、威風堂々と自分の存在を見せ付けたように見えた。

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