2017.05.26

【土屋雅史氏のJ2展望】“東四国クラシコ”はドロー決着を想起…長崎ではチーム最年長の男に注目

長崎のDF髙杉亮太は、豊富な経験でチームを牽引する [写真]=J.LEAGUE PHOTOS
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■プロの門を叩いたチームと対戦する、讃岐DFリ・ヨンジ

 3試合連続で1-1のドローが続く9位の徳島と、前節はホームで群馬に敗れたことで最下位に転落してしまった讃岐が激突する“東四国クラシコ”。この一戦では両チーム通じて、たった1人だけ古巣対決を迎える選手がいるんです。

 その人とは讃岐のセンターバックとして、ここまで13試合にスタメン出場を果たしているリ・ヨンジ。FCルイラモスヴェジット時代は杉本健勇(C大阪)と、大阪セントラルFC時代は松田陸(C大阪)と松田力(福岡)の松田ブラザーズや大森晃太郎(神戸)らとプレーしていた彼は、北朝鮮代表にも選出されていた仙台のバンディエラ・リャン・ヨンギを輩出した大阪朝鮮高校を卒業し、大阪商業大学へ入学。1年時からレギュラーを獲得し、最上級生になって副キャプテンも任されるようになると、練習参加を経て、当時はJ2に在籍していた徳島へ加入します。

 ただ、同じく大阪商業大学出身でもある小林伸二監督の指導を仰いだルーキーイヤーの2013年は、デビュー戦となったリーグ戦の1試合に出場したのみ。チームの昇格に伴ってチャレンジした翌2014年シーズンのJ1でも、J SPORTSの中継ということもあって私も訪れていた鳴門大塚での新潟戦でプロ初ゴールを記録したものの、そのシーズンもほとんど出場機会を得ることはできず、オフにはやはり大阪商業大学出身の高木琢也監督率いる長崎へと完全移籍を果たします。実質リ・ヨンジが徳島でプレーしたのは2シーズンですが、プロの門を叩いたチームということで、その対戦を強く意識しているであろうことは想像に難くありません。

 長崎でも完全に定位置を確保するには至りませんでしたが、2015年にはリャン・ヨンギと共に参加したアジアカップで北朝鮮代表デビューを飾るなど、これからの国際舞台での活躍も期待されているリ・ヨンジ。今シーズンは自身3クラブ目となる讃岐で開幕スタメンを勝ち獲り、以降も最終ラインを任されながら奮闘を続けている中で、なかなかチームの結果が伴わず、苦しい状況が続いています。ちなみに過去4度あった徳島と讃岐のリーグ戦における対戦は徳島から見て2勝2分。リ・ヨンジ自身も長崎時代に3度経験した徳島との対戦は、いずれもドローに終わっています。これらのデータも鑑みると、讃岐がアウェイで勝ち点を獲得するのは困難な気もしますが、ここはリ・ヨンジの“ドロー運”に賭ける格好の「0」で勝負してみます!

■2度のJ1昇格プレーオフを知る男、髙杉亮太がチームを牽引する

 今シーズンはホームで5勝2分1敗と素晴らしい成績を残している7位の長崎が、5位の東京Vをトランスコスモスタジアム長崎で迎え撃つ一戦。勝利すれば勝ち点でアウェイチームを上回るホームチームでは、チーム最年長のディフェンスリーダーに注目したいと思っています。

 髙杉亮太。33歳。明治大学卒業時にはJクラブから声が掛からず、2006年に当時関東2部リーグへ昇格したばかりの町田にテスト入団した彼は、現在町田のスクールコーチを務める酒井良や同じく町田のユース監督を任されている竹中穣らと共にベストイレブンに選出されるなど、リーグ優勝に貢献。翌2007年シーズンからは愛媛へと完全移籍を果たし、Jリーガーとしての第一歩を踏み出します。

 本人は「プロになった時は『3年できればいいのかな』という想いでやっていた」と当時を振り返りますが、愛媛に在籍した6シーズンではリーグ戦135試合に出場し、5つのゴールも記録。出場機会を大幅に減らした2012年のオフに長崎への完全移籍を決断すると、J2参入初年度でのJ1昇格プレーオフ進出という快挙の一翼を担いつつ、惜しくもスコアレスドローでの敗退となったプレーオフ準決勝にもフル出場。さらに、2015年シーズンも中盤戦以降にレギュラーを掴み、再度プレーオフに挑戦。今度は福岡に0-1で敗れ、昇格への道は閉ざされたものの、試合後に「悔しいですけど、ある程度1年間自分たちのやってきたことは出せたと思います」と前を向く姿が印象的でした。

 昨年末の手術の影響もあって、今シーズンは少し出遅れた格好になりましたが、ここに来て3試合連続でスタメン出場。「今年の選手は凄く自主性もあって、言われたことをやるだけじゃなくて、どんどん自分からも言ってくるし、そういう部分では今までのメンバー以上に意欲や姿勢はあると思う」と話すチームの中で、2度のJ1昇格プレーオフを知る数少ない選手として、チームを牽引する役割を担っているのは間違いありません。

 今年でプロ11年目。「3年経ったら『5年やりたい』と思い始めて、だんだん試合の数も気になってきて、『毎試合出たい』『もっともっと出たい』と欲が出た感じで、『もっとプロで居続けたい』という欲で今までやってきた所もありますし、少しずつ少しずつ積み重ねた結果で今もやれていると思うので、J1でプレーしたいという想いもありますし、少しでも長くやっていきたいですよね」と語ってくれた髙杉にとって、ここまで悪くない順位に付けている今シーズンは、J1というステージを考えても勝負の1年になるかもしれません。今節の相手は少し序盤の勢いに陰りが見られつつある東京V。長崎も前節の4失点から守備の立て直しが急務ではあるものの、髙杉の体を張った守備にも注目しながら、長崎が好調のホームゲームで白星を挙げるという「1」を予想したいと思います。

文=土屋雅史

予想難易度が高いとされるJ2は、toto当せんのカギを握る重要な要素の一つ。国内サッカー事情に精通した土屋雅史氏がJ2を徹底解剖する! 『今週のJ2(http://www.totoone.jp/j2/)』はサッカーくじtoto予想サイト『totoONE(http://www.totoone.jp/)』にて好評連載中。
※本文中の「1」はホームチーム勝利、「0」は引き分け、「2」はアウェーチーム勝利。

■明治安田生命J2リーグ第16節
2017年5月27日(土)16時キックオフ
徳島ヴォルティスvsカマタマーレ讃岐(鳴門・大塚スポーツパーク ポカリスエットスタジアム)

■明治安田生命J2リーグ第16節
2017年5月27日(土)19時キックオフ
V・ファーレン長崎vs東京ヴェルディ(トランスコスモススタジアム長崎)

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