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【ライターコラムfrom福岡】上位に踏みとどまったGW3連戦。「チャンスは何度も訪れない」

2017.05.12

福岡はGWのJ2リーグ3連戦を2勝1敗で乗り切り、首位と勝点3差の5位につける [写真]=J.LEAGUE PHOTOS

 ゴールデンウィークの3連戦を2勝1敗で乗り切り、首位と勝点3差の5位に踏みとどまるアビスパ福岡。しかし、リオ五輪日本代表メンバーで、今シーズン全試合フル出場のDF亀川諒史は「欲を言えば、3連勝したかった」と本音を漏らす。

 GW連戦のスタートとなったJ2リーグ第10節の東京ヴェルディ戦は、3連勝への弾みにするに十分な好ゲームだった。当時首位の東京Vは、前線に決定力の高い2人のブラジル人を擁したが、長身のドウグラス・ヴィエイラに対しては福岡の3バックのうち2人が「チャレンジ&カバーしながら」(DF實藤友紀)守り、決定力のあるアラン・ピニェイロに対してはU-20日本代表の冨安健洋が「起点にさせないように、ボランチと連携しながら」(冨安)マークする役割分担を徹底。さらにウイングバックの亀川と駒野友一が、相手のウィングバックに高い位置を取らせないように押し込み、東京Vに攻撃のリズムを作らせなかった。戦術をチーム全体で遂行した結果、1-0と首位から完封勝利を収め、残るアウェイ2連戦に弾みをつける、はずだった。


 しかし、中3日で迎えた徳島ヴォルティス戦は、得意のコーナーキックから先制しながらも、その4分後に失点。さらにミスから逆転を許し、1-2で敗れた。ここで福岡は、首位と勝点5差の9位まで順位を落とした。「悔しかった。勝った次の試合が大事だと、あらためて感じた」と亀川。

井原監督は松本戦後「この流れを続けていきたい」と今節からの3連戦に意気込みを示した [写真]=J.LEAGUE PHOTOS

 続く松本山雅FC戦は「上位に留まるために、絶対に勝たなくてはいけない試合だった」(井原正巳監督)。ケガで離脱していた守備の要、岩下敬輔が6試合ぶりに先発復帰。守備力の高い松本に決定機こそ多くは作らせてもらえなかったが、岩下を中心にボールを保持しながらゲームを進めた。先制したのは22分。左サイドから亀川が入れたスピードのあるクロスを、中央に走り込んだFWウェリントンが鮮やかにゴールへ流し込んだ。後半は松本に押し込まれる時間帯もあったが、復帰した岩下を中心に守り切り、福岡は2試合ぶりの完封勝利を挙げた。

「たまたま(第12節で)上位が引き分けてくれたので、(首位との)勝点差が3に縮まったが、そんなチャンスは何度も訪れない。この流れを続けていかないといけない」と、次節への意気込みを語る井原監督。

 今シーズンのJ2は、首位から8位まで勝点4差と大混戦だ。福岡を中心に見れば、5位の福岡から11位の愛媛FCまでも勝点3差と、上も下も混戦模様。13日から再び始まる3連戦で、連勝できれば首位へ浮上する可能性もあるが、連敗すれば下位への転落も免れない。「気の抜けない試合が続く」(亀川)が、次節のファジアーノ岡山戦に勝利し、中3日の第14節・湘南ベルマーレ戦を首位争いの“直接対決”とすることが、福岡の描くシナリオだ。

文=新甫條利子

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