2017.05.11

【ライターコラムfrom柏】リーグ4連勝の裏に見える“危うさ” 求められる“したたかさ”

仙台戦、終了間際の失点で勝利を逃し、肩を落とす柏の選手たち ©J.LEAGUE PHOTOS
柏レイソルオフィシャル関連でも執筆するフリーライター。

 10日に行われたルヴァンカップのベガルタ仙台戦。1-0でリードしていた柏レイソルは、終盤まで水際で耐えていたが、仙台のラストプレーで守備は決壊し、グループステージ1位突破の目標が遠のく痛恨の引き分けを喫した。

 リーグ戦では3試合連続完封の4連勝で5位に浮上した柏だが、ルヴァンカップでは初戦の清水エスパルス戦以降は白星がなく、ここ3試合で2分1敗とリーグ戦とは対照的な結果になっている。しかも直近の2試合は、ともに先制点を奪い終盤までリードしながら、ジュビロ磐田戦では残り15分で逆転負け、仙台戦では冒頭でも述べたとおり後半アディショナルタイムに追いつかれた。リーグ戦とルヴァンカップは、ほぼ総入れ替えで試合に臨んでいるため、結果だけを見れば「リーグ戦のメンバーでは勝てるが、ルヴァンカップのメンバーでは勝てない」との認識を生む。

 だが問題はルヴァンカップだけではない。J1第9節のアルビレックス新潟戦ではホニのスピードに苦しめられ、何度も決定機を作られた。続く第10節のセレッソ大阪戦も終盤に清武弘嗣にフリーでシュートを打たれる絶体絶命のピンチがあった。その都度、中村航輔のビッグセーブが飛び出し、失点には至らなかったものの、新潟戦もC大阪戦も、ルヴァンカップの磐田戦、仙台戦と同じ結果を招く可能性は十分にあったのだ。さらに言えば、大津祐樹の劇的決勝弾で勝ち切ったヴィッセル神戸戦も、終盤に決定機が多かったのは神戸の方である。横浜F・マリノス戦でも、後半は劣勢の時間が続いた。

 柏は後半になるとペースダウンし、相手に主導権を握られ、そこからリズムを奪い返せない展開へ陥る。これは結果を度外視した時のリーグとルヴァンカップの共通点である。

C大阪戦での柏の先発メンバー [写真]=Getty Images for DAZN

「F・マリノス戦の後半も相手が攻めに出てきた時に、自分たちがそれを受けるだけじゃなくて、相手陣内にボールを運んで進められればよかった。新潟戦でもそこができればあんなに押し込まれることはなかっただろうし、その回数を減らすことはできたと思う。新潟戦も一つ間違えば(ルヴァンカップの)磐田戦のような結果になっていたかもしれない」

 これは、ルヴァンカップの磐田戦ではサブだった大谷秀和が、試合を振り返った際の言葉だ。

「後半に関しては最後の質やアイデアがもう一歩必要だった。もっと良い攻撃をして、2点目3点目を取れたら…。そういう場面はなかった」

 リーグ戦4連勝を成し遂げたC大阪戦後、中川寛斗もまた、後半の試合運びについて反省を口にしている。自分たちが主導権を握れないこと、すなわちそれは相対的にC大阪の時間帯が長かったことを意味する。

 そして以下は、ルヴァンカップ・仙台戦後の中山雄太のコメントである。

「後半は全体的に受け身になる展開でしたし、自分たちがプレッシャーに出ていくというのが後半は表現できていなかったし、やられていることも多かった。ボールを取った後の運び方が単調になってしまったので、いろいろな伏線があっての失点だった」

 多くの試合で、後半の試合運びに問題が見られたことは、3者の言葉からも明らかだ。

 苦しい試合において、最後の最後で守備陣が踏ん張り、水際で耐え抜くことも勝利には必要である。ただ、相手の猛攻を浴びる時間が長ければ長いほど失点の確率は増す。この課題を抱えている限り、リーグ戦4連勝と好調にあるチームにも、終盤に追いつかれる試合が頻発してもおかしくはない。

 後半の守勢に回る時間を減らし、老獪な試合運びで相手を術中にはめて勝ち切るか。相手の猛攻を正面から受けるのではなく、そんなしたたかな戦い方を身につけること。それが、リーグ戦の優勝争いへの参戦と、ルヴァンカップの巻き返しに向けた柏の命題だ。

文=鈴木潤

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