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【ライターコラムfromC大阪】「絶好調です!」 同期や後輩に刺激受ける岸本武流

2017.04.12

セレッソ大阪FW岸本武流 ©J.LEAGUE PHOTOS

 ルヴァンカップ・グループリーグ第2節ヴァンフォーレ甲府戦の前日。雨が降りしきる中で行われた練習の最後のメニューはシュート練習だった。「あと1点で終わるぞ!」というコーチの掛け声がかかった後、最後に岸本武流のシュートが決まると、グラウンドは拍手に包まれた。

 甲府へ出発する直前、岸本は「テンションが上がっています! 調子は最高なので早く試合に出たい。楽しみ。出たらガツガツ前に行って、結果を残したい」と声を弾ませた。プロ2年目の今季、岸本は開幕からすこぶる明るい。そして「絶好調です!」が口癖だ。明治安田生命J3リーグの開幕戦でC大阪U-23の一員として2ゴールを奪った。続く第2節のブラウブリッツ秋田戦でも、0-3から一矢報いるゴールを決めた。第3節のギラヴァンツ北九州戦では前半に訪れた決定機を外し、「あれは決めないといけなかった」と猛省したが、ゴールに向かう姿勢、枠内に収めるシュート技術が光る。「去年よりゴール(マウス)が大きく見えている」という言葉も冗談には聞こえない。


©J.LEAGUE PHOTOS

 J3第4節・YSCC横浜戦の翌日には、後半途中からトップチームの練習試合にも出場した。そこでも、しっかりと枠内を捉えた2本の際どいシュートを放ち、見守ったユン・ジョンファン監督に強い印象を与えることに成功した。試合を終えた岸本に「連日でキツくない?」と尋ねると、「いや、こうやってアピールする場があることの方がうれしい。最高っすよ!」と満面の笑みを浮かべた。

 ルヴァンカップ・グループリーグ第1節の横浜F・マリノス戦後は、同期の庄司朋乃也や1年後輩の舩木翔がピッチに立って勝利に貢献する姿に「羨ましかったです」と素直な感想を漏らした。同時に、「自分も早くあの舞台に立ちたい」と強烈な刺激を受けた。そして掴んだ、自身初のトップチームの試合でのメンバー入り。「チームに貢献することが大事?」との問いかけには、しばらく間を置いた後、「点を取ることが、僕のチームへの貢献です」とキッパリ言い切った。

 ベンチスタートが濃厚であり、出場機会があるのか、ないのか。あったとしても、勝っている状況なのか、追いかける状況なのか。どんな状況で彼に出番が訪れるのかは分からない。それでも、今の岸本は例え短い時間だったとしても、見る者の心に引っかかるプレーを見せてくれるはずだ。

文=小田尚史

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