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【ライターコラムfrom千葉】成長を続ける18歳の大型ルーキー高橋壱晟、ゴールで己の道を切り拓く

2017.04.06

今季、千葉に入団した高橋は18歳ながら主力として活躍している [写真]=J.LEAGUE PHOTOS

 今シーズンから、レアル・マドリードやユヴェントス、そしてアルゼンチン代表でも活躍したフアン・エスナイデル監督が指揮を執り、「ハイプレス」、「ハイライン」という独自のスタイルを打ち出すジェフユナイテッド千葉。90分間、相手陣内に押し込み試合を進める超攻撃的なサッカーを標榜する中で、チームの心臓部として中盤を支えるインテリオールに抜擢されているのが18歳の大型ルーキー高橋壱晟だ。
 
 全国高校サッカー選手権では、青森山田高校の10番として5試合連続弾を決め、チームを優勝に導いた立役者の一人だ。

 J2開幕戦となったFC町田ゼルビア戦では、2000年の阿部勇樹(浦和レッズ)以来、17年ぶりとなる高卒開幕スタメンの座を掴み取りフル出場を飾った。

「インテリオールのポジションは、チームで大事な部分。そこで使われているということに対し、自分の中で責任感をもってやらないといけない」


 そこから体調不良で出場できなかった1試合を除き5試合で先発出場(3試合フル出場)。エスナイデル監督の信頼を得ている。

 しかし、高橋は「個人としては、全然納得のいくプレーが出来ていない。もっとやれると思う。結果が出せていないので、そこは求めて行きたい」と結果を求める。

 その高橋が京都サンガF.C.戦でプロとして初アシストを記録した。

 2勝1分の快調なすべり出しを見せたジェフ千葉だったが、序盤の山場となったアウェイ2連戦(第4節松本山雅FC戦、第5節湘南ベルマーレ戦)を落とし、3連敗が許されない中で迎えた第6節京都戦。この日も高橋はインテリオールとしてピッチに立つと前半8分、ラリベイのフリックパスを受け、左サイドから中央に絶妙なパスを中央に通すと、これを清武功暉が落ち着いて右足で決めた。

 高橋は「(アシストは)結果につながったので良かった。功暉(清武)さんに感謝したい」とコメントした。

 先制するも逆転される苦しい展開の中で、結果を求めるルーキーはギアを上げアグレッシブにプレーを進める。

 後半19分、PA付近で相手DFをかわすと力強く右足を振り抜いたがポストに嫌われる。両手をピッチに叩きつけ悔しがる高橋。プロ初ゴールまであと一歩に迫っていた。

 後半34分には、ゴール前で絶好のチャンスを迎えたがボールが上手く収まらずシュートチャンスを逃し「打ち切れなかった部分を後悔している」と反省の弁を口にすると「打てるポジションに行けたことは良かった部分」と続けた。

 チームはアディショナルタイムに近藤直也のヘディング弾で追いつき2-2の引き分けに持ち込んだ。

 試合後に高橋は「ゴールに絡めたこともそうだが、今まで出場した試合の中でも一番良かった。割り切って、失敗をしても何でもいいから前で点を取る気持ちを見せようと思った」と振り返った。

 持ち味を出し、ひた向きにプレーし才能の片鱗を見せることで周りからの信頼も厚くなる。

「あいつはマジで上手い。考えていることが人と違うし技術が伴っている。安心してボールも出せる」(熊谷アンドリュー)とチームメイトは評する。

 経験と自信が成長促進剤となることで、ゴール前に飛び出して行く機会と勇気も増えて行くことは間違いない。

 まだまだ発展途上の若武者は結果にこだわり、チームを勝利に導くために、次なるステージへの階段を一段ずつ駆け上がって行く。

「(京都戦のパフォーマンスを)最低限の出来にしたい、これで得点を決めるのが理想」と前を向き力強い口調で話した。

 18歳のルーキーに得点という結果がついてくるのもそう遠くはないだろう。「結果を出せる自信はある。1本でも多くチャンスを作って仕留めたい」と進化を誓う。

 昇格を目指すジェフ千葉の中心的選手になるべく、その秘めたる能力を発揮することが期待される。

文=石田達也

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