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タイ開催のU14大会に日本から6クラブが参加、広がりを見せる東南アジアとJリーグの関係

2017.04.04

大会をサポートする元G大阪の木場昌雄は、大会で活躍したタイ人の選手について「日本人にないものを持っている」と評価

 3月20日から26日まで、タイ・バンコクを舞台に「U14アセアン・ドリーム・フットボールトーナメント2016/17」が開催された。同大会はJリーグとタイを中心とした東南アジアのU14世代がタイトルをかけて争うもので、今年で3回目を迎える。

 Jリーグからはモンテディオ山形東京ヴェルディ清水エスパルスセレッソ大阪ガンバ大阪ヴィッセル神戸の6チーム、タイからはタイリーグ所属クラブのアカデミーを中心に16チームが参加。タイ以外ではベトナムのPVFベトナムとカンボジアのナショナルチームが加わり、計24チームが出場した。


 大会はJリーグアジアアンバサダーとしても活動する木場昌雄氏が代表を務めるJDFA(Japan Dream Football Association)が主催。東南アジアからJリーガーを排出することを目的とする木場氏の活動とリンクさせ、大会の優秀選手「アセアン・ドリーム・プレーヤー」はJクラブの育成チームに短期留学することになっている。

 4組に分かれてのグループリーグを勝ち上がり準決勝に進出したのは、清水、東京VのJリーグ勢とタイのチョンブリーFC、ブリーラム・ユナイテッドだった。決勝は清水とチョンブリーFCのカードとなり、チョンブリーFCが1-0で勝利して優勝を飾った。

 決勝に勝ち進んだ清水の関谷洋平監督は、「タイは本当にうまい選手が多い。ただ、日本のように最後まで粘り強く戦うことができていないチームも多かったので、そういう点ができるようになれば日本より強くなる可能性もある」と、タイの若い世代のポテンシャルの高さを肌で感じたようだ。

 今年はFC東京に短期留学することになる「アセアン・ドリーム・プレーヤー」には、大会MVPを受賞したチョンブリーFCのアタッカー、キッティポン・ケッパラー、得点王に輝いたPVFベトナムのボ・グエン・ホアン、ブリーラム・ユナイテッドのDFキティチャイ・ヤイディーの3選手が選ばれた。

 優秀選手を選出した木場氏は、現実的に日本で必要とされることを考えて「日本人にないものを持っていること」を選考基準としているという。

「今年は、(タイ人初のJ1選手として)チャナティップが日本に行きます。活躍できなければタイ人への注目度も下がってしまう可能性がありますが、彼はJ1でもできるでしょう。彼が活躍してくれれば、この大会からJリーガーが生まれることにもスムーズにつながっていくと思います」(木場氏)

 タイをはじめ、Jリーグとリーグ間提携を結ぶ「提携国」の選手は、今季から日本人扱いでJリーグに出場可能となった。今後、東南アジアの選手がJリーグの戦力として注目を集める可能性は高く、こうした草の根の活動が花開くもそう遠くはないだろう。

●協力=アジアサッカー研究所
●文=本多辰成(ほんだ たつなり)
1979年、静岡県浜松市出身。出版社勤務後、日本語教師としてタイへ渡る。その後、タイをベースにフリーランスライターとして活動。サッカーをはじめとした東南アジアのスポーツを中心に取材、執筆を行っている。東南アジア情報サイトやサッカーメディアなどにタイを中心とした東南アジア関連の記事を寄稿している。

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