2017.03.30

【ライターコラムfrom金沢】遅れてきた“スペースハンター”山﨑雅人が呼び込んだ町田戦の同点劇

町田戦で今季初出場を果たした山﨑 [写真]=J.LEAGUE PHOTOS
フリーライター。J2昇格初年度の2015年から、ツエーゲン金沢の番記者として取材活動を開始。J2一年目の快進撃、二年目の残留争いを肌で感じ、監督が替わった三年目は新たなチーム作りを見届ける。

 J2リーグ第5節・FC町田ゼルビア戦。前半のツエーゲン金沢は全く良いところがなく、チャンスと呼べそうなのはセットプレーくらいだった。町田に2点のリードを許し、試合を難しくした。しかし、後半開始からFW山﨑雅人とDF廣井友信が投入されると、金沢は息を吹き返す。試合展開は前半からガラッと変わり、町田を押し込んでいく。反撃の呼び水になったのは山﨑。背後を突いて町田のDFラインを押し下げたかと思えば、空いたスペースに顔を出して起点を作る。負傷明けには見えない軽快な動きを披露した。

 今年1月末に右足関節遊離体の手術を受け、離脱していた山﨑は3月中旬に全体練習に合流。それまで別メニューで調整しながら、「アクションを起こしてボールを引き出すことを意識してやりたい」と、新チームにフィットするイメージをふくらませた。トレーニングでも動きは軽やかで、柳下正明監督も「やっぱり良いものを持っている。あとは何分できるか」と話していた。そうした中で迎えた町田戦、金沢は後半に2点を奪い逆転のチャンスもあったが、結果は2-2の引き分け。ただ、後半の戦いは今季の金沢が目指す、縦に速いアクションサッカーそのものだろう。

「去年と違って縦に速いサッカーをしている。チームも若いし、前に行く力が必要。前に行くために、一番前の選手がアクションをしていかないとボールを前に運ぶことはできない。自分の動き出すタイミングを意識して入った」と山﨑。まさに有言実行の45分間だった。

 2アシストを記録したMF杉浦恭平は「ザキさん(山﨑)が裏に抜けてくれることが多く、僕もフリーでボールをもらえることが増えた。前線の選手が前向きでプレーできるようになった」という。

「点を取りに行く形のときに自分を使ってくれた監督には本当に感謝している。これから自分もチームを助けるゴールを取りたいと強く思った。チーム状況的にも、なかなか点が取れていなかったので、自分がゴールを取りたかったけど、他の人が点を取って自信になったのなら良かった」。フォアザチームのFW、スペースハンター山﨑雅人の2017シーズンが始まった。

文=野中拓也

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