■清水エスパルス 竹内の離脱は痛手も、好調なCBコンビを中心に完封目指す
2年ぶりにJ1の開幕戦を迎える清水。J2とはいえ昨季終盤から9連勝中で、小林伸二監督が続投して主力選手も多く残っているので、昨年の良い流れを継続できていることが最大のプラス材料だ。攻守の切り替えの速さや守備の連動性、パス回しの質やゴール前のコンビネーションなどはJ1でも通用するレベル。ホームということもあり、ボールポゼッションで優位に立てる可能性は十分にある。ただ、昨季後半に好調だったのは神戸も同じで、前線の個の力を生かしたカウンター攻撃という武器もある。清水がポゼッションしている中で不用意なミスが出れば、一気に失点につながってしまうリスクもある。
戦力面で見ると、昨年のJ2得点王・鄭大世は今季も始動時から好調で、キャプテンに選ばれてチームを牽引する意識はさらに高くなった。大宮に移籍した大前元紀に代わって10番を背負う白崎凌兵も、攻撃の中心として技術やアイデアを存分に発揮している。若い金子翔太や北川航也も成長した姿を見せているため、現時点で大前の穴はそれほど感じられない。
ただ、始動時から攻守両面で非常に効いていたボランチの竹内涼が、先週膝を痛めて離脱したのはかなり痛い。河井陽介とフレイレも実力は十分だが、2人とも出遅れがあって対外試合があまりできておらず、コンディションや試合勘に不安を残す。そのため、六平光成や枝村匠馬がボランチに回る可能性もある。
それでもセンターバックの犬飼智也と角田誠の調子が良く、GKに六反勇治が加わったことも大きなプラス。神戸の攻撃を抑えるためには頼もしい要素であり、失点を0に抑えて白星スタートを切るのが清水の目指すところだ。(totoONE編集部)
■ヴィッセル神戸 充実の戦力を揃え、苦手・清水を撃破なるか
柏レイソルから新加入の田中順也が「10日間の沖縄キャンプでコンディションが上がった」と話したように、一気に戦闘モードへスイッチを入れた今季。こんな調整ができるのも、選手たちのオフの過ごし方も含めネルシーニョ体制3シーズン目のアドバンテージと言えそうだ。だが、気がかりなのは例年と同じく開幕前のテストマッチが少ない点。特に昨季11得点のペドロ・ジュニオールが鹿島アントラーズへ移籍しただけに、J2クラブとの練習試合のみでは不安を完全に拭い去るのは難しい。しかも、アウェイでの開幕戦の相手は、リーグとカップ戦を合わせた公式戦の通算戦績で大きく負け越している清水。これもマイナス材料と言えなくもない。
とはいえ、どちらかと言えば今季はプラス材料の方が目立つ。昨季の主力がほぼチームに残ったことでチーム戦術の浸透はより進むに違いない。さらに、今オフには田中順也、高橋秀人、大森晃太郎、渡部博文、大槻周平というJリーグで実績を残している選手の大型補強に成功。課題だった選手層も厚みが増した。しかも、元柏の田中や渡部はネルシーニョ戦術をすでに理解している上、元同僚のレアンドロや橋本和らとのコンビネーションにも問題はなさそうだ。
また、180センチ以上の渡部、高橋、田中、178センチの大槻が加わったことで高さは昨季よりもはるかに上。開幕戦という難しいゲームにおいて、セットプレーに強みがあるのは大きなプラス材料といえそうだ。(totoONE編集部)