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【2017年J1クラブ分析③】大宮、“大黒柱”移籍で目標「勝ち点50」達成へ攻撃再構築が急務

2017.02.22

今オフ、清水から大宮へ移籍した大前元紀 [写真]=Getty Images

 2016シーズン、過去最多となる年間勝ち点「56」を挙げ、過去最高の5位となった大宮アルディージャにとって、更なる飛躍が期待されるシーズンとなる。クラブが設定した勝ち点50、9位以上という目標は、昨季の成績を考えれば謙虚にも思えるが、残留争いを繰り広げていた3シーズン前までを顧みれば、現実的な目標であると言える。

 実際、不安がないわけではない。2015シーズンのJ2優勝J1昇格、そして2016シーズンと、ボールの収まりどころとして、さらにフィニッシャーとしても、攻撃の全権を担っていた家長昭博が川崎フロンターレへ完全移籍。また、左サイドから緩急自在のドリブルでチャンスをつくり、家長と抜群のコンビネーションを見せていた泉澤仁も、ガンバ大阪に新天地を求めたのだ。


 昨季の大宮は攻撃面に課題があったのは明らかだ。総失点数はリーグで3番目に少ない36失点だった一方で、得点はリーグで9番目の41得点だったからだ。その状況で、家長、泉澤という強力タンデムを失ったチームは、否が応にも攻撃陣の再編を迫られることとなった。

2017シーズン開幕時の予想フォーメーション

 だが、ピンチとチャンスは表裏一体だ。そして今季の大宮が獲得した選手の顔ぶれを見れば、十分に期待も抱ける。新たに背番号10を付けることになったのは、清水エスパルスの顔だった大前元紀だ。昨季の大前は、負傷による長期離脱を強いられたため、シーズン29試合の出場にとどまったが、J2リーグ3位タイの18得点を記録した。現在27歳と、キャリアの最盛期を迎えようとしている。また、湘南ベルマーレからは、中盤より前ならばどのポジションもこなせる長谷川アーリアジャスールを獲得。ボランチにも柏レイソルから精度の高いパスでゲームを組み立てる茨田陽生が加入した。昨季、大活躍を見せた江坂任、横谷繁らは複数のポジションで起用可能であり、異なる特長を持っている。渋谷洋樹監督が対戦相手に応じて選手を使い分けられるようになれば面白いが、まずは攻撃の軸を固めたい。

 開幕前の練習試合やプレシーズンマッチでは、ボールの収まりどころをつくれずに苦戦を強いられた。個でボールを保持できる家長の不在の影響を大きく受けているが、似た特長を持つ選手はいない。その中で、どのように攻撃を組み立てていくのか。答えをどれだけ早く見つけられるかが、今季を大きく左右することになるだろう。

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