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J1が1ステ-ジ制に再移行、3年ぶり復活 賞金などの増額も決定

2016.10.12

2015年の年間王者となったサンフレッチェ広島 [写真]=Getty Images

 2016年度の第9回Jリーグ理事会が12日に行われ、会議後に村井満Jリーグチェアマンが、理事会における決議についてなどを説明。J1の大会方式を現行の2ステージ制から3年ぶりに1ステージ制へと変更することが全会一致で承認されたことを報告した。

 Jリーグは2015年から2ステージ制を導入し、チャンピオンシップにて年間王者を決める大会方式にすることを2013年に決定。しかし、導入からわずか2年で大会方式の再変更となった。村井チェアマンは「日程に限界を感じた」と、AFCチャンピオンズリーグやFIFAクラブ・ワールドカップ、天皇杯などとのスケジュール調整の厳しさに理由に挙げる。また、熊本を中心とした震災により、特に一定期間試合が開催できなかったロアッソ熊本がJ1に在籍した場合はファーストステージで順位を決定することが難しかったことが想定されるなど「自然災害が多い日本において、1年をかけて戦うことの大切さも感じた」と説明。


 2ステージ制については、「手ごたえがあったのも事実です」と話し、新聞やテレビ、SNSでの露出が増加したことや年間入場者数が1000万人を超えたことなどを挙げ、「(チャンピオンシップという)どこでタイトルが決まるか、あらかじめわかっていることは準備や認識などにおいて大事なことだと感じました。興行面での視点では明らかに得るものがありました」とメリットがあったことも話す。

 一方で、「サポーターからの賛否はもちろん認識しています」と話すとおり、インターネットでのアンケートなどでファンの声を集約・分析することに努め、Jリーグの選手会とも「高橋秀人選手会長とも話しました。J1全クラブの選手に調査してもらい、選手会としては一斉にシーズンが終わることが大事だという話となりました。例えば移籍を考えた場合、CSに出てJ2に移籍したら、シーズンインまでの期間が短いといったことも出ます。選手会からは8割が1ステージへの変更に賛成だという話を頂戴しました」と、ピッチに立つ選手たちの意見も踏まえての決断だったとしている。

 2年間で大会方式を再変更するというドタバタ劇となったが、「丁寧なフィードバックが必要」と村井チェアマンは説明し、Jリーグの公式HPを通じても今回の再変更という決定に至った部分においての説明がされている。(Jリーグによるリリース→http://www.jleague.jp/release/post-45987/

 2ステージ制には2013年に前Jリーグチェアマンである大東和美氏のもと、Jリーグ発展への危機感と変革が急務である状況だとして踏み切ったが、現時点で2ステージ制の評価を問われた村井チェアマンは、「歴史的評価をすることははばかられますが、2013年に大東さん、もしくは執行部が2ステージ制を発表した時に、『一定の期間やります』と発表したかもしれません。私としては、その発表は認識しつつ、日本サッカーがよりよくなるために、今回意思決定するタイミングであると決めました。大東さんの苦渋の決断を2年で撤回する葛藤もありましたが、今回が決断のタイミングであったと思った次第です」と回答。1ステージ制はいつまで継続するのかという問いかけに対しては、「私が2年で変えたものを『10年続けたい』と言って、次のチェアマンを縛るようなことはしたくありません」と話している。

 また、今回の理事会では各クラブへの分配金や1ステージ制にすることによるサマーブレイクの導入、外国籍選手枠の変更、東京オリンピックに向けた選手強化のための出場枠の導入などについても決議。

 サマーブレイクの時期については決まっていないが、「今のJリーグに必要なことは、世界のトップとの差を認識して、その差を埋める算段をすること。マッチアップをすることが重要」(村井チェアマン)と、欧州クラブのオフシーズンに合わせ、日本への招へいやJクラブの海外遠征を行い、親善試合や交流の活性化を図る目的があり、Jリーグとしても資金面などで援助することを検討していると話した。

 また、Jリーグは来季より各クラブへの分配金なども変更。均等分配を増額(J1クラブに3.5億円、J2クラブに1.5億円、J3クラブに3000万円予定)し、J1の優勝賞金も増やす(1位は3億円を想定)。

 さらに『強化分配金』と『降格救済金』の創設も決定。強化分配金は前年以前のリーグ戦成績に応じて当年度の強化費に充当する配分金で、ACL出場枠に絡んでくるJ1の1位から4位が対象となる。年度ごとの配分条件を満たせば、最長で3年前までさかのぼって配分され、一度J1で優勝すれば、総額約15億円を配分する予定。3年間に分けて支給する予定で(3年間同じ金額か、各年度で金額を上下させるかは今後決定)、年度ごとに目的通りに使用されているかをJリーグがチェックし、不適当な使用があったとされた際は、残額の没収などがされる。

 降格救済金は、下位リーグのカテゴリーに降格したチームが、大幅に減額された均等配分金を翌シーズンに受け取ることになるので、急激な収入の変化に対応できず、クラブ経営が傾くのを防ぐためのもの。均等配分の80%が翌シーズンに保証されるもの。

 外国籍選手枠はACLにおいて外国籍出場選手数の変更の可能性があることや、レベルの高い選手などを招へいすることによるチーム内、国内リーグ・アジアでの競争力強化が目的。東京五輪世代の強化についてはルヴァンカップにて年齢での出場選手枠などを設定することで、出場機会を確保することが目的となる。

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