2016.09.23

【土屋雅史氏のJ2展望】激戦必至の京都vs北九州は「0」で勝負 アウェイチームの粘り強い守備陣に期待

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 9勝15分8敗で11位につける愛媛と、8勝13分11敗で14位の水戸がニンジニアスタジアムで激突する今節の一戦。愛媛を率いる木山隆之監督と、水戸の指揮官を務める西ヶ谷隆之監督は筑波大学時代の先輩後輩であり、同じタイミングで指導者への道を歩み出した関係でもある2人なんです。

 伊丹西高校から1990年に筑波大へ入学した木山監督。服部浩紀(群馬監督)、藤田俊哉(VVVフェンロコーチ)、辛島啓珠(新潟レディース監督)など、後に指導者への道を歩む同期とともに自らを磨く日々が続きます。一方、それから遅れること2年。名門の清水商業から筑波大の門を叩いたのが西ヶ谷監督です。こちらは高校時代もチームメイトだった望月重良(相模原会長)や上野優作(浦和育成コーチ)が同期。世代トップレベルとも言うべき環境の中で、実戦経験を積んでいった2人は大学卒業後、木山監督がG大阪で、西ヶ谷監督が名古屋でそれぞれプロキャリアをスタート。特に西ヶ谷監督はルーキーイヤーの監督が、アーセナルの監督として21シーズン目を迎えているアーセン・ヴェンゲルという巡り合わせに恵まれ、今でもその時の経験が自らの指導に生かされているそうです。

 福岡、東京V、千葉、新潟と1シーズンごとにプレーする環境を変えながら、西ヶ谷監督が現役を引退したのが2001年。札幌と水戸でのプレーを経て、木山監督がスパイクを脱いだのは2002年。そして、木山監督が翌2003年から母校の筑波大の指揮官へ就任するのと同時に、コーチとして母校に戻ってきたのが西ヶ谷監督でした。当時のチームには現在西ヶ谷監督の下でプレーしている兵働昭弘や藤本淳吾、阿部翔平などが在籍しており、関東大学リーグで2位という好成績を収めたチームは、インカレでも大会連覇を達成。次の年から西ヶ谷監督は東京Vの下部組織へ移ったため、この年限りのコンビとなりましたが、しっかりと日本一という成果を勝ち獲った2人は、以降もお互いに指導者としてのキャリアを積み上げ、Jリーグの監督という位置まで辿り着きました。

 愛媛は4試合連続ドローの後、日程の都合上で連戦となった熊本に“連勝”を果たすなど、7戦無敗を続けていたものの、前節は開始早々に退場者を出してしまい、後半アディショナルタイムの被弾で逆転負け。ただ、水戸も3戦無敗で臨んだ前節の清水戦は終盤に追いつかれると、やはり後半アディショナルタイムに失点を喫して敗戦。ともにダメージの残る黒星を喫したばかりです。そんな状況で迎える今節は、“先輩”に花を持たせようとする筑波大出身の瀬沼優司が活躍するというピンポイント予想で勝負し(笑)、「1」にマークしたいと思います!

 前節はC大阪相手に終盤まで粘り強く戦いながら、杉本健勇の個人技に沈んだ格好で0-1で敗戦。最下位の金沢とは1ポイント差の21位と苦しい時間が続いている北九州。そんなチームを何とかJ2残留に導くべく奮闘を続ける柱谷幸一監督と美濃部直彦コーチにとって、今節は2人揃ってホームチームの監督として指揮を執った経験を持つ西京極への凱旋ゲームとなります。

 2001年に40歳の若さで山形の指揮官に就任し、指導者としてのキャリアをスタートさせた柱谷監督は、初年度からいきなり昇格争いを演じ、最終節でその昇格こそ逃したものの、確かな手腕で高い評価を得ることに。結果として3シーズンに渡って監督を務めると、僕も個人的に仕事をご一緒する機会の多かった(笑)、半年にも満たない束の間の解説者時代を経て、2004年シーズンの途中にJ1復帰を目指す京都の監督に就任します。そのシーズンからトップチームのヘッドコーチを務めていたのが、自らも現役最後の2シーズンを過ごした京都で、下部組織の指導を長年続けていた美濃部コーチ。序盤の出遅れが響き、2004年での昇格は果たせなかったものの、翌2005年シーズンは圧倒的と言っていい成績でJ2を制し、柱谷監督は高校時代までを過ごした地元のクラブを、3年ぶりとなるトップディビジョンへ導きます。ただ、勇躍乗り込んだJ1の壁は厚く、なかなか結果の出ない中で柱谷監督は2006年のシーズン途中で解任を余儀なくされ、その後を継いだ美濃部コーチの奮闘むなしく、チームは再びJ2降格の憂き目に。美濃部“監督”は2007年シーズンも続けて指揮を執り、シーズン終盤まで昇格圏内につけていたにもかかわらず、クラブは美濃部“監督”の電撃解任を決断。J1・J2入れ替え戦で広島を倒し、昇格の歓喜に沸くチームの中に美濃部コーチの姿はなかったのです。

 栃木の監督や浦和のGMを経験した柱谷監督が、北九州で現場復帰したのは、今から3年前の2013年。就任初年度こそ低迷しましたが、一昨シーズンはJ1ライセンスを持たないにもかかわらず、昇格プレーオフ圏内の5位でフィニッシュ。昨シーズンも7位と健闘を見せ続ける北九州に、徳島や長野でシビアな戦いを指揮官として経験してきた美濃部コーチがやってきたのは今シーズンのこと。実に2006年以来、柱谷&美濃部コンビは10シーズンぶりとなる再結成の時を迎えましたが、その今シーズンはここまでなかなか結果がついてこず、この終盤戦を迎えても未だにJ3降格と隣り合わせがチラつく、厳しいシーズンを強いられています。

 現在リーグ戦2連敗の京都は、まだ昇格プレーオフ圏内の6位をキープしており、これ以上は一戦も落とせないところ。しかも、就任2年目となる石丸清隆監督は、柱谷&美濃部体制時に選手として在籍していたという因縁も相まって、非常に注目すべき一戦であることは間違いありません。激戦必至の90分間は、それでもC大阪戦で粘り強く戦った北九州の守備陣が、古巣対決に燃えるスタッフ陣の意を汲んで好ゲームを演じると予想し、ドロー決着の「0」でいきたいと思います。

文=土屋雅史

予想難易度が高いとされるJ2は、toto当せんのカギを握る重要な要素の一つ。国内サッカー事情に精通した土屋雅史氏がJ2を徹底解剖する! サッカーくじtoto予想サイト『totoONE(http://www.totoone.jp/top/)』にて、『今週のJ2(http://www.totoone.jp/j2/)』が好評連載中。
※本文中の「1」はホームチーム勝利、「0」は引き分け、「2」はアウェーチーム勝利。

■明治安田生命J2リーグ第33節
2016年9月25日(日)19時キックオフ
愛媛FCvsFC水戸ホーリーホック(ニンジニアスタジアム)

■明治安田生命J2リーグ第33節
2016年9月25日(日)17時キックオフ
京都サンガF.C.vsギラヴァンツ北九州(京都市西京極総合運動公園陸上競技場兼球技場)

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