2016.07.17

悔しさと涙の最終戦…アーセナル移籍の浅野「広島での誇りを持って挑戦したい」

浅野拓磨
試合後にセレモニーでスピーチした浅野拓磨。目には涙が滲んだ [写真]=J.LEAGUE PHOTOS
サッカー総合情報サイト

 サンフレッチェ広島でのラストマッチを終え、ピッチに1人で立つFW浅野拓磨の目には涙が浮かんだ。

 アーセナル移籍が決まっている浅野は、17日に行われた2016明治安田生命J1リーグ・セカンドステージ第4節の横浜F・マリノス戦で先発出場。この試合が広島でのラストマッチとなったが、奮闘したもののノーゴールに終わり、チームも2-2で引き分けた。

 それでも、今季最多の2万5845人が集まったスタジアムで、浅野への声援が止むことはなかった。試合後は終始、不発の悔しさを噛み締めていた浅野だったが、壮行セレモニーが始まり、マイクの前に立つと思わず目には涙が滲んだ。

「僕はまだ広島に来てなにも成し遂げることができていません。広島にきて高校卒業とともにプロになり3年半が経ちましたが、その3年半の間、広島でいろいろな経験をさせて頂きました。苦しいこと、悔しいことの方が多くて、そんな時に僕を支えてくれたのはファン・サポーター、チームメイト、関わってくれた全ての人たち、そして何より家族の存在が僕を支えてくれました。全ての人に感謝しています。感謝の気持ちをまた新しい地で、プレーで表せるように、さらに厳しい環境になると思いますが、今までどおり目の前のことに100パーセントで頑張りたいと思います」

 7人兄弟の三男として生まれ、高校卒業まで三重県で育った浅野だが、プロとして歩み始めた広島への愛着も湧いた。「地元の三重県に負けないくらいの大好きな気持ちがこの広島にはあります。広島の選手ではなくなりますが、1人のファンとしてこのチームを応援したいと思いますし、みなさん、サンフレッチェ広島を温かく、優しく、熱く、ともに戦ってください」と広島愛を語ると、「いつでも熱く、いつでも温かく、そして優しい、ファン・サポーターの方とともに戦えた3年半を誇りに思う。この誇りを持って新しい地で挑戦していきたい。みなさんに負けないぐらい100パーセントで頑張って、成長した姿を見せられるように全力で頑張りたい」と新天地での活躍を誓った。

 大きく成長を遂げていつか広島に戻ってきたい。そんな思いも胸に、最後に「成長してたくましい姿を見せて、笑顔を届けられる選手になりたい。また、みなさんと紫のユニフォームを着てプレーすることを楽しみにしながら全力で頑張りたいと思うので、これからもどうか応援よろしくお願いします」と語った。

 スピーチ後には、両親と妹からも花束が届けられた。ファン・サポーターの温かい拍手に包まれたピッチで家族とともに記念撮影をすると、涙が堰を切ったように流れ出す。そして、チームメイトから背番号と同じ10回の胴上げを受けた後、改めてスタジアムを丁寧に挨拶して回った。

「紫の誇りを胸に、世界で暴れてこい」。最後まで声援を送っていたサポーターたちからは、そんな横断幕で送り出された。8月に開幕するリオデジャネイロ・オリンピックでの戦いを経て、アーセナルに移籍する浅野。愛する広島で得た誇りを胸に新たな挑戦に臨む。

 現在21歳の浅野は、2013年に三重県立四日市中央工業高から広島に加入し、2013年9月の川崎フロンターレ戦でJリーグデビュー。2015年4月のFC東京戦でJ初ゴールを挙げると、同年はJ1で32試合に出場し、8ゴールを記録。2015シーズンのベストヤングプレーヤー賞に輝いた。今季はJ1で14試合に出場し、4得点を記録した。

 また、2015年8月の東アジアカップ2015に出場する日本代表メンバーに選出され、同月2日の朝鮮民主主義人民共和国戦で代表デビュー。ここまで通算5試合に出場し、1ゴールを記録している。

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