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【土屋雅史氏のJ2展望】“後輩”村田が恩返しの白星奪取に意気込み…清水vs横浜FCでの“体大対決”を見逃すな!

2016.06.10

大阪体育大出身の村田(左)と田所(右)。サイドの攻防に注目が集まる [写真]=Getty Images

 7勝5分5敗で9位の清水エスパルスと、5勝5分6敗で12位の横浜FCが対峙する今節には、清水の村田和哉が「実際に対戦できるなら、すごく楽しみですね」と語るマッチアップが期待されています。そのマッチアップとは、清水の右サイドでキレキレのドリブルを披露し続けている前述の村田と、今シーズンから加入した横浜FCで左サイドバックの定位置を確保し、全試合でスタメン出場を果たしている田所諒の対戦です。

 2つ歳の離れている両者は、大阪体育大学の先輩後輩。2008年の総理大臣杯で日本一を勝ち獲った時のチームメイトなんです。当時の田所について村田に話を聞くと、「結構いろいろと声を掛けてくれたのは印象に残っています。本当に熱くて真面目で、陰で努力している姿も見ていましたし、『こういう人がプロとか上のステージに行くんだな』という風に思ったので、そういう人に出会えたというのは良かったですね。『一サッカー選手として、どう振る舞うか』というところを教えてもらいました」とのこと。「すごく影響を受けた選手の一人です」と明かしてくれました。


 右サイドを主戦場に置く村田ですが、実は“体大”出身者には藤春廣輝(ガンバ大阪)や橋本和(浦和レッズ)など左サイドバックが多く、「そういう時には“体大”の同期もメールしてきてくれたりする」そうで、今回の一戦も「試合中にマッチアップしたら、みんなも『ああ、諒くんとやってるな』みたいになると思うので、僕としては先輩に負けないように頑張るだけですね」と意気込んでいるようです。他にも、前田和哉(ギラヴァンツ北九州)や川西翔太(モンテディオ山形)、澤上竜二(セレッソ大阪)などJ2では数多くの体大出身者がプレーしていますが、「体大の卒業生がサッカー界を引っ張っていきたいと、OBはみんな思っているはずですし、そういう役割や意識を自分たちが認識してやることが、体大の後輩の励みにもなると思うので、頑張りたいと思います」と村田。この“体大マッチアップ”にも大いに注目したい今節は、FC町田ゼルビアに主導権を握られながらも、数少ないチャンスを生かした前節の勝利を良い意味での反省材料に、清水がホームでの3勝目を手にするという予想から「1」で勝負したいと思います。

 現在はともに4試合未勝利。同じ勝ち点11で並ぶ22位北九州と21位ツエーゲン金沢が北九州市立本城陸上競技場で激突する一戦は、両者にとって非常に重要な“裏天王山”。そしてこのゲームにおいても、勝敗を左右すると言っても過言ではない注目のマッチアップが実現するかもしれません。北九州の原一樹と金沢の廣井友信。駒澤大学の同級生にあたるこの2選手は、2003年のユニバーシアードで揃って世界一に輝き、さらに2007年に清水へ同期入団を果たした、いわば盟友とも言うべき2人なんです! ただ、原も廣井も清水ではレギュラーポジションを確保することはできず、廣井は東京ヴェルディやロアッソ熊本への期限付き移籍を経験した後、2015年に金沢へ完全移籍したものの、負傷の影響もあって昨シーズンはリーグ戦15試合出場と、躍進を遂げたチームの中でやや不完全燃焼のシーズンに。一方の原は浦和と京都サンガFCを経て、2014年に北九州へ完全移籍。昨シーズンはリーグ7位の13ゴールを叩き出すなど、前線の柱として確固たる地位を築いています。

 今シーズンに目を移すと、2人とも序盤戦は負傷離脱を余儀なくされていた中で、これまた揃って4月に戦線復帰を果たしてからはスタメン起用が続いていますが、なかなかチームとして結果が出ない時期を強いられているという点も、非常に似通っている状況です。苦しい現状を打破するためにも、この同級生と対峙する一戦は絶対に負けたくない90分間。ストライカーとセンターバックというポジションを考えてもマッチアップは不可避であり、そこで上回った方が確実に勝利へ近づきます。是非熱戦を期待したいところですが、前節のザスパクサツ群馬戦でも慣れない4-3-3の左ウイングで奮闘し、後半のアディショナルタイムにはただ1人相手のカウンターに全力で自陣まで戻るなど、非常に気持ちの入ったプレーを披露していた原の気概が今節こそ結果につながると予想し、このゲームも「1」でいきたいと思います。

文=土屋雅史

予想難易度が高いとされるJ2は、toto当せんのカギを握る重要な要素の一つ。国内サッカー事情に精通した土屋雅史氏がJ2を徹底解剖する! サッカーくじtoto予想サイト『totoONE』にて、『今週のJ2』が好評連載中。
※本文中の「1」はホームチーム勝利、「0」は引き分け、「2」はアウェーチーム勝利。

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