被災後初勝利をファンに届けたロアッソ熊本の選手たち ©J.LEAGUE PHOTOS
2016明治安田生命J2リーグ第17節が8日に行われ、ロアッソ熊本とツエーゲン金沢が佐賀県鳥栖市のベストアメニティスタジアムで対戦した。
4月14日に発生した「平成28年熊本地震」の影響でJ2リーグ第8節から第12節までの5試合が延期になり、約1カ月間、熊本は実戦から遠ざかった。5月15日にリーグ再開戦として敵地で行われた第13節ジェフユナイテッド千葉戦、22日にホームゲームとして日立柏サッカー場で行われた第14節水戸ホーリーホック戦、28日にはノエビアスタジアム神戸で行われたホームゲームのFC町田ゼルビア戦と、5月の3試合では3連敗。6月4日の第16節ではアウェーでファジアーノ岡山に1-2と敗れ、リーグ復帰後4連敗を喫している。
今節は地震以来初となる九州開催のホームゲーム。リーグ復帰後初勝利を目指し、21位に沈む金沢と対戦した。スコアはいきなり動く。開始1分、キックオフからプレーが切れることなく熊本がゴールネットを揺らした。左サイドからのクロスがゴール前で混戦となり、嶋田慎太郎がゴールライン際から後方へ戻すと、最後は平繁龍一が豪快に決めて先制に成功した。
幸先よく先制ゴールを奪った熊本は9分、敵陣左サイドで得たFKを清武功暉が直接狙う。角度のないところから蹴り込まれた強烈なシュートは相手GKの手を弾き、ゴールネットを揺らした。開始10分足らずで熊本が2-0とリードを広げた。
熊本は攻撃の手を緩めない。31分には左サイド深くから岡本賢明がグラウンダーのクロスを送り、ファーサイドに詰めていた平繁がスライディングで押し込んで3点目。さらに36分には、清武の左CKからキム・テヨンがニアサイドで打点の高いヘディングシュートを決め、4点目を挙げた。
ゴールラッシュを見せる熊本は4分、相手のCKからカウンターを仕掛け、左サイドからクロス。ファーサイドに走り込んでいた黒木晃平がヘディングシュートを決めた。鮮やかなカウンターから5点目を挙げ、5-0と大量リードで前半を終えた。
5点ビハインドと苦しい展開を強いられた金沢は、後半立ち上がりに反撃のゴールを決める。49分、右CKのこぼれ球を拾った山藤健太がドリブルでペナルティーエリア右側へ入り、左足を一閃。強烈なシュートをゴール左隅へ突き刺し、1点を返した。
50分時点で5-1と大量ゴールが記録された同試合。以降は拮抗した展開となったが、次のゴールも金沢のものだった。78分にPKを獲得すると、安柄俊が冷静に決めて2点目。スコアを5-2とした。
終盤10分強では得点は生まれず、試合は5-2で終了。今シーズン最多となる5ゴールを決めた熊本がリーグ復帰後5試合目で初勝利を挙げた。リーグ戦での白星は3月26日の第5節V・ファーレン長崎戦以来、7試合ぶりとなった。次節は12日、ザスパクサツ群馬とアウェーで対戦する。一方の金沢は4試合勝ちなし。次節は12日、ギラヴァンツ北九州とのアウェーゲームに臨む。
【得点者】
1-0 1分 平繁龍一(ロアッソ熊本)
2-0 9分 清武功暉(ロアッソ熊本)
3-0 31分 平繁龍一(ロアッソ熊本)
4-0 36分 キム・テヨン(ロアッソ熊本)
5-0 44分 黒木晃平(ロアッソ熊本)
5-1 49分 山藤健太(ツエーゲン金沢)
5-2 78分 安柄俊(ツエーゲン金沢)
By サッカーキング編集部
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