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【土屋雅史氏のJ2展望】大不振から一転、5戦無敗と復調した山形…最前線で存在感を放つ林陵平の活躍も必見

2016.05.20

ゴールパフォーマンスにも注目が集まる林陵平 [写真]=Getty Images

 チームを2度目の昇格へ導いた石﨑信弘監督も残留し、1年でのJ1復帰を期して臨んだ今シーズンは、開幕からまさかの大苦戦。第4節からの4連敗を含め、8戦未勝利とクラブワースト記録を更新してしまいました。一時は最下位に沈んだモンテディオ山形でしたが、ようやく第9節でファジアーノ岡山に1-0で競り勝って初白星を挙げると、そこから一気に3連勝を達成。前節のV・ファーレン長崎戦も引き分け、現在は5戦無敗と明らかに復調傾向にあると言って良さそうです。

 そのチームを最前線で牽引しているのが、ストライカーの林陵平。前述した岡山戦では、開幕戦以来のスタメン起用に応えて決勝ゴールを叩き込むと、第12節のザスパクサツ群馬戦でもきっちりと1ゴールを奪うなど、チームとともに個人としても上昇気流に乗っている感があります。


 そんな林は、言わずと知れた海外サッカーマニア。『J SPORTS』の海外サッカー中継にも3年連続で登場しており、その豊富な知識とウィットに富んだトークスキルが視聴者の好評を博しています(笑)。加えて、ゴールパフォーマンスにも海外の選手が披露したそれを採り入れており、過去にはミチュ、ファビオ・ボリーニ、アルベルト・ジラルディーノと、あえて渋めの選手のパフォーマンスをチョイス。今シーズンも岡山戦ではレオナルド・ボヌッチの、群馬戦ではエディンソン・カバーニのパフォーマンスを披露済み。今節もゴールからの一連の流れに期待が掛かります。また、林はパリ・サンジェルマンの練習場で、雨の中で4時間近く出待ちした経験を持つほどの熱狂的なズラタン・イブラヒモビッチフリーク。そのイブラヒモビッチはパリ・サンジェルマンの退団が発表されたばかりであり、彼に捧げるパフォーマンスを練習している可能性も低くないでしょう(笑)。

 今節の相手は、18日に行われたJ2第8節の愛媛FC戦で勝利し、リーグ戦3試合負けなしとしたツエーゲン金沢。決して楽な相手ではありませんが、この一戦は林のズラタン愛が炸裂することを予想し、「1」でいきたいと思います。

 熊本地震の影響を受け、第8節からリーグ戦の開催がなかったロアッソ熊本を取り巻く人々に、5月15日、束の間ではありますが『Jリーグのある日常』が戻ってきました。約1カ月ぶりとなるJ2リーグの再開初戦は、フクダ電子アリーナでジェフユナイテッド千葉と対戦。地震発生直後から支援物資の収集に奔走し、カメラの前で涙ながらに窮状を訴えてきた巻誠一郎もスタメンに名を連ね、84分まで最前線で奮闘。町田也真人の2ゴールで千葉が2-0と勝ちましたが、試合後には場内を一周する熊本の選手たちに大きな拍手が続き、千葉サポーターからも「頑張れ熊本」コールが巻き起こるなど、改めてサッカーというスポーツが持つ影響の大きさを再確認するような一戦となりました。

 今シーズンの熊本は開幕3連勝と最高のスタートダッシュを切り、J2参入後は初となる単独首位も経験。地震発生の直前にあたる第7節終了時には5位につけていました。延期されているゲームの消化を考えると、夏場に厳しい連戦が待っていることが予想できますが、今後の勝ち点の積み上げによっては昇格プレーオフ圏内も十分に狙えるはずですし、それにふさわしいパフォーマンスを見せてきました。

 ホーム扱いとなる今節は、本来の本拠地であるうまかな・よかなスタジアムを使用することが難しいため、柏のホームである日立柏サッカー場での開催となり、15時からのキックオフが予定されています。対戦相手は東日本大震災の際に、クラブ運営に大きな影響を受けた水戸ホーリーホック。このゲームは『熊本地震復興支援マッチ』と位置付けられる特別な一戦。是非お近くにお住まいでお時間のある方は、この90分間をスタジアムで過ごしてみてはいかがでしょうか。勝敗を越えて感じるモノが、きっと日曜日の日立台にはあるはずです。

文=土屋雅史

予想難易度が高いとされるJ2は、toto当せんのカギを握る重要な要素の一つ。国内サッカー事情に精通した土屋雅史氏がJ2を徹底解剖する! サッカーくじtoto予想サイト『totoONE』にて、『今週のJ2』が好評連載中。
※本文中の「1」はホームチーム勝利、「0」は引き分け、「2」はアウェーチーム勝利。

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