試合後の会見に臨んだ山口の上野展裕監督 [写真]=瀬口陽介
明治安田生命J3リーグ最終節が23日に行われ、レノファ山口FCが優勝を飾り、J2昇格を決めた。
山口は2位のFC町田ゼルビアと勝ち点で並ぶものの得失点差で大きく上回っており、勝てば優勝という状況でガイナーレ鳥取と対戦。開始早々に先制点を奪われた山口は62分に岸田和人のゴールで追いついたが、10分後に再び勝ち越されてしまう。そのまま後半アディショナルタイムに突入すると、敗戦の雰囲気が漂う中迎えた96分、キャプテンの平林輝良寛が劇的な同点ゴールを決め、試合は2-2で終了。同時刻に行われた試合で町田が引き分けに終わったため、山口のJ3制覇が決まった。
上野展裕監督は試合後、「まず今日の試合を振り返る前に、山口の皆さんのおかげで優勝することができました。感謝申し上げます」と感謝の言葉で会見を始めると、「最終節までプランニングをしてきて、その通りに選手たちは本当によくやってくれました。本来は勝ち点差をつけて優勝する予定でしたが、最後の椅子に手が掛かりかけた時に、選手は今まで経験したことのないような心理状態になり、このように最後までもつれました」と、勝利すれば優勝の可能性もあった前節で、Jリーグ・アンダー22選抜とスコアレスドローに終わり、まさかの足踏みとなったことを振り返った。
それでも、「この経験は大きいと思います。一流になるため、プロになるためには通らなければならない道ですし、来年は大いに期待したいと思っています」と苦しんで掴んだ優勝がいい経験になったと述べ、来季戦うJ2の舞台を見据えた。
試合に関しては、「平林(輝良寛)も良くやってくれました。立ち上がりに失点しましたが、それから同点に追い付き、選手は本当に諦めることなく最後まで追い付いてくれました。最後まで諦めずにやろうというのは、チームのコンセプトでもあります。選手は本当に最後までやってくれたと思います。私は同点に追い付けると思っていました」と、最後まで選手を信じていたと振り返っている。
劇的ゴールを挙げた平林は後半アディショナルタイムに入ってから投入された。「点を取ってこい」という声しか掛けていないと明かした指揮官は、「ミドルシュートもいいものを持っていますし、しっかりと仕事をしてくれたと思います。ベテランとしての仕事をしてくれました」と活躍を称えた。
また、試合中に優勝を争う町田の状況が気になっていたかと問われると、「試合経過はスタッフから聞いていたので知っていましたが、選手には言わなかったです。我々は町田と戦っているわけではなく、鳥取と戦っていたので。試合が終わるまでは選手たちは知りませんでした。『どうだった? どうだった?』と気になっていたようで、聞いてきました」と明かし、選手には試合終了まで伝えていなかったことを明かした。
そして、「まず、山口の皆さんの後押しが日を重ねるごとに大きくなり、本当に感謝しています。皆さんの後押しのおかげで優勝することができたと思います。チームとしては若い選手も多い中でもいろいろな状況に耐えて優勝することができました」と感謝を述べると、来季に向けて意気込みを語った。
「繰り返しになりますが、来年に期待したいと思っています。この経験がみんなを大きく成長させてくれたと思うので、この経験を基にスピードを上げていきたいです。目標は、J1です。それはクラブの目標でもありますから」
By サッカーキング編集部
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