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ゴン中山、寿人のタイ記録弾に「勉強になった。でもまだ追いつかれただけ」

2015.11.22

アスルクラロ沼津に所属する中山雅史(写真は10月のもの) [写真]=Getty Images

 その瞬間、日本サッカー界のレジェンドは笑顔を浮かべながら、後進のストライカーがスタジアム中から祝福を受ける姿を拍手で称賛していた。

 22日の明治安田生命J1リーグ・セカンドステージ第17節の湘南ベルマーレ戦で、サンフレッチェ広島FW佐藤寿人がJ1リーグ戦通算157ゴール目をマーク。この一発で中山雅史(現アスルクラロ沼津)が持つJ1リーグ最多得点記録に並んだ。


 これを受け、この試合にテレビ番組の取材で足を運んでいた中山に報道陣からのリクエストが殺到。Jリーグからの依頼を受ける形で会見に対応し、クビから下げていたプレスパスを外して、急きょテレビカメラの前に立った。

 自身の記録に並んだ佐藤寿、この日のゴールで1点差に迫った川崎フロンターレFW大久保嘉人について、「もっともっとゴールシーンを増やして、日本サッカーを盛り上げていってもらいたい」と期待を寄せた中山。目の前で自身の記録に並ぶ通算157ゴールを決めた佐藤寿のプレーには、沼津で現役復帰した中山自身も刺激を受けた模様だ。

「(寿人は)ゴールシーンだけでなく、それ以外の部分でもいいところにポジションを取っていますよね。得点シーンもそうですけど、1度相手の視野に入って、そこから抜ける。常に相手のスキを狙っているポジショニングと動きだと感じました。ドンピシャのクロスは味方との阿吽の呼吸と言うのかな。普段の練習から並大抵のものを積み上げてきたわけではないでしょうし、そうやって培ったものがこういう大舞台で発揮されるのかなと。間近でそういうプレーを見せていただいて勉強になりました。ただ、まだ現時点では追いつかれただけですから。ここから引き離していけるように頑張れればと思いますけど、戦うステージが違いますから。自分もああいうゴールを決めたいという気持ちを盛り上げてくれるし、情熱をたぎらせてくれる。すごくありがたい刺激だと思います。僕は僕で自分を成長させていければと思いますし、寿人の姿をしっかりと見て、勉強していきたいと思います」

 突然の取材依頼に、おなじみの中山節で快く応えてくれたレジェンド。会見の最後は「もう大丈夫ですか? 聞き漏れはありませんか? すみませんね、これから僕も取材する側に変わらなければならないので(笑)」と報道陣を笑わせ、この日の本務へと戻っていった。

文=青山知雄

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