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【平畠啓史氏はこう見る!】システムや戦術ではない“人間力の勝負”…各々の命運を分かつ大一番をしかと見届けよ

今節、8位千葉(左)と7位東京V(右)による、プレーオフ進出の枠を巡る直接対決が行われる [写真]=Getty Images

 衝撃的かつ魅惑的なタイトルの載ったサイトの画面に、釘付けになってしまった。それは北関東、群馬方面から流れる情報で、そのタイトルは「アジアの虎vsアジアの壁」というもの。真っ先に頭に浮かんだのが、「タイガー・ジェット・シンvsチェ・ホンマン」。時代的にも交わらないし、チェ・ホンマン的にもそんなことやっている場合か、とも思ったが、だからこそ興業としてはおもしろい。グリーンドーム前橋あたりでやるのではないかと推測したが、実際はそうではなかった。

 かつて「アジアの虎」と呼ばれた服部浩紀監督と、かつて「アジアの壁」と呼ばれた井原正巳監督の対決。つまり、私が見たのは、群馬のホームページにおける、ザスパクサツ群馬vsアビスパ福岡の大見出し的なタイトルだった。「アジアの虎vsアジアの壁」とはなかなか素晴らしく、様々なイメージが湧く実に良いタイトルだが、この試合の重要性はそれだけではない。J1自動昇格圏争い真っ只中の福岡だが、今節の試合は唯一の19時キックオフとなっており、つまり他の10試合、20チームはすでにゲームを終えていることになる。3位福岡が目の前の試合に負けられないのは当然だが、状況によってはいろいろな意味のプレッシャーが掛かることになる。そして、場合によっては大宮の昇格が決まるかどうかが懸かるゲームにもなる。ゆえに、「アジアの虎vsアジアの壁」の注目度は思いのほか高い。

 J2も残り3試合となり、J1自動昇格の可能性を残すのは3チームに絞られた。大宮アルディージャジュビロ磐田、福岡のうち、2チームがJ1自動昇格の切符を勝ち取る。そして、3位になったチームはプレーオフに回ることになる。よく言われることだが、「プレーオフは勢いが大事」。ということは、是が非でも自動昇格しておきたいところで、それが実現できなければ、勢いが落ちたような形でプレーオフに臨まなければならないのである。自動昇格圏争いの行方を占う意味でも、13時のキックオフが予定されているカマタマーレ讃岐vs大宮、磐田vsV・ファーレン長崎は要注目。特に、後者は激戦必至だ。

 磐田は、ここにきて10戦負けなしの3連勝中。前節の東京ヴェルディ戦は、1人少ないながらも3-0で快勝し、さらに勢いが増す実に良い勝ち方をした。対する長崎は、上位陣との3連戦(大宮、磐田、セレッソ大阪)の2戦目となる。前節で大宮に敗れたものの、数的不利の戦いを強いられる中で1点を返す奮闘ぶり。ルーキーの北川滉平がゴールを決めるなど、敗戦の中にもポジティブな要素を見出すことができた。そして、ここで踏ん張ることができれば、勢いを持ってプレーオフに臨むことができる。胃がキリキリと痛むようなロースコアな展開になれば長崎、オープンな展開になれば磐田。どちらにしても、最後まで目の離せない一戦になるだろう。

 さらに今節で目の離せない、いや見るのが怖いぐらいの大一番がある。8位ジェフユナイテッド千葉と7位東京Vによる、プレーオフ進出の枠を巡る直接対決だ。前節、千葉は札幌ドームでアディショナルタイムに逆転されるというショッキングな敗戦を喫した。東京Vは退場者を出した磐田に0-3で完敗を喫した。そんな状況ながらも、両チームともにプレーオフ進出の可能性を十分に残している。そして、このゲームを制し、残りの2試合を良い形で終えれば、勢いそのままにプレーオフへ進むことができる。苦しい状況の中でも、自分たちの力でプレーオフを、そしてJ1昇格をつかみ取ることができる可能性があるのだ。注目ポイントは、いかに切り替えられているか、そして良い意味での開き直りができているか。システムや戦術云々ではない、人間力の勝負であり、本当のプロの勝負がここにある。

 13時キックオフのゲームは、どれも痺れるゲームになりそうな予感。「アジアの虎vsアジアの壁」まで体が持つかなぁ。

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