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鹿島伝統の背番号8を受け継ぐ者…土居聖真が注目の一戦で決勝弾

後半途中に交代するまで、攻撃を引っ張った土居(右) [写真]=瀬藤尚美

 両チーム合わせて、日本代表候補は実に9選手。ヴァイッド・ハリルホジッチ監督も視察に訪れ、スタンドは4万2,070人の大観衆が埋め尽くした。大きな関心が寄せられた一戦で、勝負を決めたのは鹿島アントラーズ土居聖真だった。

 10日に敵地で行われたJ1 1stステージ第11節のFC東京戦。34分に今季2点目となる決勝ゴールを挙げ、1-0とリーグ戦で昨年9月以来の完封勝利に導いた。ゴール前で赤崎秀平と相手DFの競り合いからボールがこぼれると、いち早く反応して右足で蹴り込んだ。

「ボテボテになっちゃって。当たり所は悪かったですけど、入ってよかった」とは、本人の弁。一見、不恰好に見えるゴールだが、自身の斜め後ろに転がっていくボールを、回り込むようにして体を捻じ曲げて放った一撃は、技術的にも難易度の高いプレーだった。

 後半にも、途中出場していた高崎寛之に右足アウトサイドの浮き球で決定的なパスを通すなど、テクニックの高さが際立つ。決勝弾のシーンを「自分の頭を越えた後のボールだったが、常にこぼれ球やDFのクリアボールは狙っている」と振り返るように、トップ下としてFWのまわりを衛星のように動き回る豊富な運動量も兼ね備え、単なる技術屋では終わらないところが、大きな魅力となっている。

 ちょうど一年前、既にコンスタントに試合に出場していたが、トニーニョ・セレーゾ監督が「自分のポテンシャルをわかっていない。もっとすごい選手、能力の高い選手」と口にするほど、期待をかけていた逸材。昨季にリーグ戦全試合に出場して8ゴールを記録すると、今季から小笠原満男、野沢拓也と偉大な先輩たちが背負ってきた背番号「8」を継承した。

 下部組織で育ち、J屈指の名門チームで既に攻撃の中心選手として活躍するが、もう一回りのスケールアップの予感が漂う。

 FC東京の堅守をこじ開けた決勝弾だが、「体勢的に難しかったですが、気持ちを込めて思いっきり打ってやろうと思った。気持ちがボールに乗り移った」と、何よりも強調したところが精神面。「技術だけではどうにもならないこともある。気持ちの面を出せたのはよかった」と、発する言葉にも力強さが宿っている。

「パスを出してくれれば、前を向いてやれる自信はある」

 同期の柴崎岳昌子源が選出された12日からはじまる日本代表候補合宿にこそ選ばれなかったが、ポテンシャルは決して引けをとらない。プロ5年目を迎えた22歳の心技体は今、充実の一途を辿っている。

文=小谷紘友

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