湘南戦で得点を挙げた齋藤学 [写真]=Getty Images
2015明治安田生命J1リーグ・ファーストステージ第7節が25日に行なわれ、横浜F・マリノスはホームで湘南ベルマーレと対戦し、3-0の快勝を収めた。
「やっと点が取れたので。やっとっていう感じですけど……」。ミックスゾーンに表れた齋藤学は、開口一番にこう切り出した。
1点リードで迎えた85分、相手DFのボールを高い位置で奪った喜田拓也がドリブルで中央に持ち上がる。ゴール前に残っていたDF2人を十分に引きつけた後で、左の齋藤へパス。詰めて来たGKと一対一になった齋藤は、わずかに空いたゴール右のスペースへ左足を振り抜いた。
齋藤にとっては苦しいシーズン序盤だった。今年は身体のキレもよく、動けている手応えがあった。だからこそ、これまではどことなくすっきりしない表情だったのかもしれない。「結果が出てないことで焦りが若干あった」と胸の内を明かした。
そんな中で迎えた湘南との一戦。ボールホルダーを素早く囲い込みボール奪取する湘南の守備の網をかいくぐるように、早い判断とパスでボールをつなぎ、横浜FMの新たな武器となりつつあるショートカウンターで湘南ゴールに襲いかかる。
開始9分のアデミウソンの移籍後初ゴールも、85分の齋藤の追加点も、ラストプレーとなったアディショナルタイムの富澤清太郎の3点目も、すべてショートカウンターから生まれたものだった。
齋藤にとっては、開幕から公式戦10試合目でのシーズン初ゴール。「その前の、ラフィ(ラフィーニャ)からアデミウソンに出たパスも、俺が一対一を外したシーンも、やっぱり(湘南の最終ラインの裏を)狙っていたので」と語りつつも、「喜田のパスにしっかりと感謝して……喜田のおかげです」と後輩への感謝の言葉を口にした。
ゴールを決めた後、トップスピードのままゴール裏へと走り抜けた齋藤。スタンドの声援に応えつつも、一瞬、サポーターに対して謝るような仕草を見せた。
「俺がどんだけ焦っていたかというのも、サポーターも分かっていたと思う。そういう意味では一緒に(今日のゴールを)分かち合えたのかなと。これからは楽しさのポーズもしなきゃいけないかな」
ようやく、すっきりした表情を見せた齋藤。「いい時の自分というのを出していけたらと思っています」。横浜FMの若獅子がついに目を覚ました。