8月無敗を維持し、7位につける柏 [写真]＝Getty Images
■柏レイソル 8月無敗で好調持続、上位追走に向けて工藤の奮起は不可欠
8月に入ってリーグ戦では2勝2分と、徐々に調子を上げてきた。その2勝はいずれもホーム戦だったが、「ホームでは絶対の自信を持っている」と工藤壮人も語るように、本拠地では9戦負けなし。しかも今節で対戦する甲府は、リーグ戦では日立柏サッカー場で勝利を挙げたことがなく、ホームでは甲府に3連勝中と相性も良い。
この夏場の好調をけん引してきた増嶋竜也、栗澤僚一が、今週は揃って別メニューだった。彼らの欠場は痛手だが、近藤直也や小林祐介が控えるため大きな問題はないと見ている。ここにきてけが人が出始めているものの、小林、木村裕といった若手が出場機会を増やし、活躍を見せていることは朗報だ。また、前々節の神戸戦に続き、前節の名古屋戦でも新加入のエドゥアルドが躍動。同点ゴールはエドゥアルドの持ち運びとスルーパスから生まれたもので、早くも柏で主軸の地位を築きつつある。
ただ、名古屋戦はエドゥアルドの攻撃参加が最後に実ったが、依然として引いた相手をどう崩すかという課題を改善しきれていない。甲府とは第14節で対戦した際に守備ブロックを崩せず、セットプレーとカウンターで失点を許して敗れた。今節は、その課題がどこまで克服されているかが大きなポイントになりそうだ。
そして柏の攻撃といえば、やはり工藤である。チャンスに絡めていないわけではないが、ここ6試合はノーゴール。今後柏が上位に食い込むためにも、工藤の爆発は必要不可欠だ。（鈴木潤）
■柏予想スタメン
3-4-2-1
GK
菅野孝憲
DF
鈴木大輔
近藤直也
エドゥアルド
MF
藤田優人
小林祐介
大谷秀和
橋本和
工藤壮人
高山薫
FW
レアンドロ
■ヴァンフォーレ甲府 中断明け未勝利が続くも攻撃面では一定の手応えをつかむ
甲府はリーグ戦中断明けからの7試合で未勝利。5分2敗と勝ちきれない展開が続いている。ただ、そのうち6試合でシュート数が対戦相手を上回ったという結果が示すとおり、相手のバイタルエリアへの進入回数は増加。前節のG大阪戦では3得点という成果も出した。
その一方で攻撃に手数、人数を掛けることにより、カウンターを受ける場面も増えてきた。前線に強力なアタッカーを擁する柏に対して、そこは一つの懸念材料になるだろう。
続出していた負傷者は徐々に戻りつつあり、マルキーニョス・パラナと河本明人が今節は陣容に加わる見込みだ。またG大阪戦ではボランチ、ウイングバックで起用されてきた稲垣祥を1.5列目のシャドーに配置したところ、セカンドボールへの反応やボールチェイスといった持ち味を発揮。守備力も含めて、今後のオプションとなりそうだ。
ただ、エースのクリスティアーノは今季ここまで4得点を挙げるにとどまり、G大阪戦では今季初のスタメン落ちとなった。身体的なコンディションは十分だが、チームの中で求められる役割を十分に消化できておらず、結果も出ない中でフラストレーションを抱えたままプレーしている様子が見て取れる。彼が本来のプレーを取り戻すには周囲のアドバイスだけでなく、ゴール、勝ち点3という結果で重荷を取り除くことが必要だろう。（大島和人）
■甲府予想スタメン
3-4-2-1
GK
荻晃太
DF
青山直晃
山本英臣
佐々木翔
MF
ジウシーニョ
保坂一成
新井涼平
阿部翔平
稲垣祥
下田北斗
FW
クリスティアーノ