上位戦線生き残りを狙う横浜FM [写真]＝千葉格
■名古屋グランパス 攻撃のバリエーション増加も、若い守備陣に不安
仙台戦は三度もビハインドを追い付いた。押し込んだ中での勝ち点1は痛手だが、酷暑の戦いであったことを考えても収穫は多い。
まず、三つのファインゴールを生む原動力となったのが、後半から使用した4-2-3-1だ。攻撃のバリエーションが増加し、得点以上のチャンスを作った。中断明けから3バックに取り組む名古屋だが、西野朗監督は、4バックでも共通理解を持って戦えていたことを評価。新たなオプションを手に入れたと言える。
これを機能させたのが玉田圭司だ。後半からトップ下に入ると前線でタメを作り、チームに連動性をもたらした。ただし、けがから復帰したばかりで、90分をフルで戦えるフィジカルコンディションではない。攻撃の軸であるレアンドロ・ドミンゲスの負担を軽減させる意味でも、豊富なアイデアを持つ彼の復帰は大きなプラス材料だが、しばらくは切り札的存在となりそうだ。
一方、田中マルクス闘莉王を負傷で欠いた若い守備陣には不安が残った。勇気を持ってラインを高く保ち、流れの中ではチャンスを作らせなかったものの、結果的に3失点。特にFKから喫した2失点は、相手キッカーの質が高かったとはいえ、流れをつかみつつある時間帯だっただけに、若さが出た格好でもある。今節も闘莉王の出場は不透明。横浜FMに中村俊輔がいることも踏まえれば、セットプレーには気を付けたい。
毎年、拮抗した展開が多いこのカード。1点が明暗を分けそうなだけに、粘り強い戦いに期待したい。（totoONE編集部）
■名古屋予想スタメン
3-5-2
GK
楢崎正剛
DF
牟田雄祐
大武峻
本多勇喜
MF
矢野貴章
田口泰士
レアンドロ・ドミンゲス
ダニルソン
佐藤和樹
FW
松田力
小川佳純
■横浜F・マリノス 上位戦線生き残りを狙う横浜FM、名古屋戦で真価が問われる
上位に食らいつくのか、下位に飲み込まれるのか。
横浜FMにとって、名古屋戦は今季を占う重要な一戦だ。リーグ戦再開後は1勝2分と思うように勝ち点を伸ばせていない。だが、本来の良さである豊富な運動量から敵陣でボールを奪うなど、ポジティブな戦い方はできている。2010年以来、敵地では4戦無敗と相性は悪くないだけに、3試合ぶりとなる白星への期待は高まる。
名古屋戦では、23日の神戸戦を欠場した下平匠が復帰予定。神戸戦では兵藤慎剛が今季初得点となる同点弾を決めるなど、夏場に強い男が乗ってきた。「もっと早く取らないと。チームの力になれてなかったので、まだまだこれから」と兵藤。対名古屋戦は2戦連発中と、今節も虎視眈々と得点を狙っている。
けがで出遅れた新戦力のラフィーニャも実戦を重ねながらチームにフィットし始めている。裏への抜け出しや仲間との連係も増えており、ゴール前で決定的な仕事をするのは時間の問題だ。
19日のC大阪戦、23日の神戸戦はそれぞれ決定力を欠いた。リーグ16位、28失点の名古屋守備陣との激突は鬱憤を晴らす絶好の機会でもある。伊藤翔は「何が足りないかを明確にしながら、進んでいかないと」と前を向く。12日の天皇杯2回戦から連戦が続き、コンディション面でも不安を残すが、樋口靖洋監督は「中3日なら問題はない」と常々口にしてきた。その言葉が問われる、真夏の夜を迎える。（totoONE編集部）
■横浜FM予想スタメン
4-2-3-1
GK
榎本哲也
DF
小林祐三
栗原勇蔵
中澤佑二
下平匠
MF
中町公祐
小椋祥平
兵藤慎剛
中村俊輔
齋藤学
FW
伊藤翔