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天皇杯制覇の樋口監督「今季ベストゲームをしようと送り出した」

2014.01.01

天皇杯を制して喜ぶ横浜FMの面々 [写真]=浦正弘

 第93回天皇杯全日本サッカー選手権大会の決勝が1日に行われ、横浜F・マリノスサンフレッチェ広島が対戦。前半に挙げた齋藤学中澤佑二の得点で、横浜FMが2-0で勝利し、前身の日産自動車時代を含め、21年ぶり7度目の大会制覇となった。

 横浜FMの樋口靖洋監督は試合後、以下のように勝利を振り返った。


「マリノスとして、Jリーグが始まって初めての天皇杯の優勝。久しぶりに決勝に進んでタイトルを取ったということを、応援頂いたファン、サポーターのみなさん、そして選手、スタッフ、またクラブ職員と喜びたいと思う。また、日頃から支えて頂いているスポンサーのみなさま、行政のみなさまにもこの場をお借りして、タイトルをみんなで喜ぶという風にしたい」

「試合の方はサンフレッチェの戦い方に対して、自分たちのスタイルを貫くと。リーグ戦でやってきたことをより精度を上げてやることで、結果が出ると信じていた。今日が今シーズンの50試合目になるが、1試合1試合、あるいはトレーニングの中で積み上げてきたものを全部出して、今シーズンのベストゲームをしようということでピッチに送り出した。本当に選手達はゲームの入りから集中したプレーを続けてくれて、まだまだ成長の余地は多く残っているが、本当にいい試合をしてくれたと思っている。繰り返しになるが、本当に選手とともにこの優勝という結果を心から喜びたいと思う」

―今日も最後まで熱く応援してくれたサポーターに対しての言葉と、国立競技場で優勝するということは? 監督は四中工(四日市中央工業高等学校)のときに高校選手権で準優勝、(中村)俊輔君も(桐光学園で)準優勝。準優勝コンビだったが、そこを踏まえてお願いします。
「今日、最初にベンチに座って満員の国立を見た時に、36年前になりますか、私が高校1年生でこの国立の舞台の決勝に立ったときの光景が蘇ってきました。改めて指導者としてこういう場に戻って来られたことを本当に幸せに感じてキックオフの時間を迎えました。2位というジンクスに関して言えば、四日市中央工業が高校選手権に出ているが、(四日市中央工業高等学校の監督を務める)兄貴とちょっと話す時間があったので話をして、何としてもその樋口家のDNAを打ち破ろうという誓いを立てて、それが結果として出て本当に良かったと思う。本当にリーグ戦ではあと一歩のところで悔しい思いをさせたサポーターのみなさんに、リーグ戦が終わってから3週間ですね、本当に選手達も切り替えることが大変だったと思うが、本当にこのタイトルに向かって準備して努力してくれた。そして、元日をこうした形でみんなと喜べるということを本当に感謝したいと思うし、2013年のシーズンを応援頂いたことを改めて感謝申し上げます。ありがとうございました」

―広島の森保監督が先ほど、20分までの立ち上がりが全てだったということをおっしゃっていたが、準決勝では立ち上がりは非常に相手の激しいプレーに押されて厳しい状況だったと思うが、今日は最初からかなりアグレッシブにどんどん前に出ていくような形で試合を進めたが、何か特別な指示があったのか?
「これは対戦相手との関係ですね。鳥栖戦に関して言えば、向こうがロングボールを入れて圧力をかけてくることはわかっていたので、まずそこの部分はしっかり弾き返してセカンドボールに集中すると。今日は逆に、広島はリトリートした守備をするということがわかっていたので、逆にウチがそれに付き合って守備的にやるのではなく、前から奪いに行くと。前で奪って前でプレーしようということがひとつ、今日のゲームをコントロールする上でのキーワードということで、ミーティングで伝えていた。本当に立ち上がりにいい形で押し込んでボールを前で奪えて、さらにゴールも奪えたという部分は、本当に選手達がいい入りをしてくれたと思う」

―ワントップに端戸(仁)選手が入っていたと思うが、1点目も含めてシンプルなプレーで2列目を生かそうとしていると感じたが、実際にはどのような指示を与えていたのか?
「端戸に関して言えば、天皇杯に向かうための3週間、一応FWという形でトレーニングを積んでいた。彼の特長はラインとラインの間で受けることができると。今日は正直、広島と東京だったら、広島の方がいいなと思っていた。それは、彼が前を向ける状態をライン間で作れるという風に見ていた。実際、広島がそれほどガツガツ、プレッシャーをかけてこない分、彼が間に顔を出すことで、所謂前で軸になってくれたということは高く評価したいと思う。交代するまでは守備の部分でも、彼はあんまり守備が得意ではないが、しっかり集中してボランチ(へのパスコース)を切りながら出るという部分でもチームに貢献してくれたと思う」

―リーグタイトルを逃した後の時間の過ごし方の中での難しさとか、あるいはもう1回モチベーションを上げたりとか、そういう部分での苦労や仕掛けをしたとかはあるのか?
「リーグの最終戦から準々決勝の大分戦まで2週間の間があったが、まず1つは思い切って4日間完全休養を取った。正直、これは賭けというか、4日間休んでしまうと次に立ち上げるのにちょっと時間がかかってしまうかなという怖さはあったが、メンタル的な部分や肉体的な疲労。両方の疲労を取るということを目的で、思い切って4日間休んだ。練習を再開したときの選手達の表情を見た時に、『あっ、これはこの4日間休んでよかったかな』と。コンディション的には、大分戦は正直ちょっとキツイかなという状態だったが、ただいい意味で切り替えてこのタイトルに向かう準備をする時間が取れたと思う。そこが1つ。それとトレーニングのところも、どうしてもリーグ戦で1週間に1回のサイクルでトレーニングをしていると、ちょっとマンネリがちになっているところあったので。最後のこの3週間は、少しトレーニングの内容的なところも含めて、若干変えたところもあって、選手達が新鮮な気持ちでまたトレーニングをするというようなところは工夫しました」

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