2013.12.08

徳島から加入の京都GKオ・スンフン、J1昇格を逃した胸中とは

昇格プレーオフ決勝にも出場した京都のGKオ・スンフン [写真]=Getty Images

 試合終了のホイッスルが鳴り響いた瞬間から、京都サンガF.C.GKオ・スンフンはピッチに突っ伏して立ち上がることができなかった。約1年前に下した苦しい選択と今シーズンの戦いが走馬灯のように脳裏をよぎり、チームと自分に課せられた目標を達成できなかった悔しさ、そして目の前に立ちはだかる結果を受け入れられない複雑な感情が入り混じった。

 徳島ヴォルティスが四国勢初のJ1入りを決めた2013J1昇格プレーオフ。その裏側には、今シーズン開幕前に徳島から京都への移籍を選択した彼を取り巻くドラマがあった。

 2010年に韓国の湖南大から徳島に加入したオ・スンフンは、翌2011年からレギュラーポジションを獲得。J1昇格を狙うチームとともに、自らの目標に掲げてきた韓国代表入りを目指して成長してきた。韓国では外国籍選手枠を勝ち抜いて起用される海外でのプレーが評価される傾向にあり、Jリーグ、中でもJ1でのプレーはその近道になる。彼の実力は韓国代表選手経験のあるセレッソ大阪GKキム・ジンヒョンも認めるもの。Kリーグを経由せずに徳島でプロ契約を結んだオ・スンフンは韓国代表入りを視野に入れて「J1でプレーしたい」と考え、「3年間お世話になった」クラブを離れる決意を固めて、今シーズン開幕前に昇格の有力候補と目された京都への移籍を選択した。

 覚悟を持って臨んだ新天地では、5月に「コカ・コーラ月間MVP(J2)を獲得するなど、安定したセービングに加えて決定的な大ピンチを凌ぐビッグセーブで京都の上位進出に貢献。リーグ戦は3位に終わって自動昇格こそ逃したものの、プレーオフ進出を果たし、周囲からの高い評価を受けつつ、目標とする舞台へつながる扉に手を掛けていた。

 だが、悲劇的なストーリーが待っていた。プレーオフ決勝の相手は、昨シーズンまでプレーしていた徳島。複雑なシチュエーションからメンタルをコントロールすることができず、普段とは違って「きっちりとした準備ができなかった」という。そしてJ1昇格を果たすために訣別したチームと対戦し、自らの手を弾かれて決められたゴールが決勝点となり、古巣の歓喜を目の当たりにすることとなる。

 昨シーズンまでのチームメートたちが果たした快挙を「素直に祝福したい」と語る一方で、「試合に負けて感情的になっていたので、(徳島の選手たちが)喜ぶ姿はしっかり見ていない。自分の精神的には非常に厳しい。正直、この結果を受け入れられない」とも漏らした。

「毎日のトレーニングからJ1昇格をモチベーションに戦ってきたし、京都への移籍を決意した理由もそこにあった。韓国代表入りという目標はずっと持ち続けてきた。J1へ昇格するために京都へ来たのに……。でも、試合前にメンタルをコントロールできなかったのは自分の未熟さ。そこは改善していかなければならない」

 かつての仲間たちをJ1へと見送ることになってしまったオ・スンフン。痛恨の敗戦を経てさらなる成長を誓ったが、「Kリーグでもやれる自信はある」とコメントするなど、自分自身の次なる準備をしなければならないとも感じている模様。京都で再びJ1の舞台を目指すのか、それとも他クラブへの移籍を選択するのか。J屈指の守護神が下す決断が注目される。

文●青山知雄(Jリーグサッカーキング編集長)

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