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FC東京が4連敗…MF米本拓司「まだまだ強いチームじゃない」

「まだ頭が整理できていない」

 試合後、米本拓司が口にしたこの言葉は、内容に反して結果が出ない現状に対する素直な気持ちだろう。司令塔の東慶悟も「どうして勝てないのか、僕たちも分からない」と苦しい胸中を明かした。

 選手も、指揮官も、サポーターも、誰もがピッチで披露するポゼッションサッカーに手応えを感じながら、内容に結果が伴わないFC東京。第6節ではベガルタ仙台にアウェイで1-2と敗れ、リーグ戦はこれで4連敗。ピッチ内での充実さを思うと、一層もどかしさが募る。

 試合後の選手から話を聞いていると、「やっているサッカーは悪くない」()、「今のサッカーを続けることが大切」(米本)、「前線からプレスを掛けて、高い位置で奪って素早く攻めるサッカーはできている」(長谷川アーリアジャスール)など、ランコ・ポポヴィッチ監督が目指す攻守に連動したサッカーの完成度は明らかに高まっている印象を受ける。実際、指揮官も4連敗を喫した直後に「やるべきことはやっている。連敗しているが、選手たちは力を見せてくれた」とコメントしている。

 どんな結果が出ても、「続けていくことが大事」という関係者のコメントは昨シーズンから一貫して変わらない。芯の通ったブレないサッカーができているという点は評価できる。

 だが、なぜか結果が出ない。

 仙台戦の前半。攻撃では連敗中のチームとは思えないほど面白いように選手が連動してパスがつながり、オフサイドになったシーンが多かったものの、何度も相手ゴールに迫った。守備でもアーリアが語ったとおり、組織的なディフェンスで相手のパスコースを限定し、全くと言っていいほどチャンスを作らせなかった。選手たちが口をそろえて「前半は良かった」と語ったように、完全に主導権を握っていたと言っていい。しかし、FC東京はそこで決められなかった。

 仙台は後半立ち上がり、前半の教訓を生かしてパスコースを作る動きを増やして攻勢に出てきた。そして47分、右サイドで柳沢敦がボールをキープすると、ボランチの米本が「相手が流れたところについて行ってしまった」ことでバイタルエリアがポッカリと空くと、そこにパスを出され、角田誠に狙いすましたミドル弾を決められてしまう。

 前半に好内容を見せたことで、どこか油断があったのだろうか。東は「それまで勝っていればリードされても余裕があるけど、先制されると、焦りはどうしても出てくる」と話していたが、後半立ち上がりに思わぬ先制点を許したことで連敗中のチームに焦りが生じる。米本が「先制されて、前掛かって、また失点してしまった」と振り返ったとおり、追加点を許してしまう。

 60分、加賀健一がボールを奪ってオーバーラップすると、アーリア、途中出場の李忠成とつないだボールが奪われてカウンターを食らい、加賀の攻め上がった右サイドをウイルソンに突破されて豪快なシュートを叩き込まれた。必死に戻って対応した加賀は、「中を切ってサイドに行かせる判断だったが、結果的にもっと寄せれば良かった」と反省の弁を述べたが、これが結果的に痛恨の失点となった。

 2点のビハインドを追い掛ける展開に、ゴール裏の青赤サポーターから「意地見せろ!」というコールが飛ぶ。

 ポポヴィッチ監督は68分に平山相太を投入し、3-5-2システムに変更。平山は期待に応えてロングボールに競り、前線で体を張って攻撃の基点となる活躍を見せた。2トップを組んだ李も「相太といい関係でチャンスメークできた。これは今までのチームにない形。可能性を感じた」と語ったように、2点を追って猛反撃に出る。79分には東の右CKをニアサイドで平山が頭で合わせると、「こぼれてくると思った」という李がファーサイドで詰めて1点を返した。

 しかし、あと1点が遠く、終盤の猛攻も実らず。リーグ戦4連敗を告げるタイムアップの笛が鳴り響いた。

 いい時間帯にチャンスを作りながらも先制点を決められず、後半開始早々の失点で後手を踏み、追加点を奪われ、反撃は届かない。苦しい展開を強いられるのは自明だ。

 選手たちも、指揮官も、もちろんそれは分かっている。「自分たちの時間に(点を)取らないと。リードされてひっくり返すのは簡単ではない」(ポポヴィッチ監督)、「前半は良かったけど、後半にちょっとしたスキを見せてやられた。何回も同じ事を繰り返してしまっている」(加賀)、「前半はすごく良かった。勝っている時は後半も同じサッカーができるけど、それを続けられないのが今の東京。先制されると負けるチームの流れになってしまっている」(東)。

 ちょっとした寄せの一歩、一瞬遅れる攻守の切り替え……。ほんの少しの差で勝敗が分かれている。目指すサッカーは間違っていない。だが、それがしっかりと結果に表れてしまっているのが現状だ。だが、悪い部分を隠したまま「内容は悪くない」と言い続けるのではなく、しっかり結果を受け止めていることをポジティブに見るべきだろう。

 アーリアは「いいサッカーをしても、結果にこだわらなければいけない。自分たちが変わるしかない。これを試練だと思って乗り越えないと」とつぶやいた。加賀は「細かいところを見れば、もっとできることはある。自分たちを見つめ直したい」と語った。東は「内容で勝負するわけじゃない」と勝利への渇望を表しつつ、「信じて続けていくしかない」とブレない姿勢を見せた。

「僕たちはまだまだ強いチームじゃない」

 米本が語ったこのコメントが、今のFC東京を言い表している。信念を持ちつつ、細かな部分を突き詰めていった先に、本当の強さが待っているはずだ。

文=青山知雄(Jリーグサッカーキング編集長)

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