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名古屋が“前田の呪い”を乗り越える/J1第1節

ホームでの開幕戦をドローで終えた名古屋 [写真]=山口剛生

 戦前から大きな話題を集めた“前田の呪い”。3月2日の開幕戦で磐田と対戦した名古屋は、試合こそ1-1で引き分けたものの、張本人の前田遼一にはシュート2本に抑え込んでゴールを許さず。

 ストイコビッチ監督は試合後の記者会見で「今日、一番大事なのは前田にゴールを取られなかったこと」と語り、キャプテンの楢崎正剛は「リーグ戦日程が発表になってから、ずっと変なプレッシャーがあった。他のチームは1週間で済むからいいけど。そもそも(磐田の選手では)一番の脅威。何とか乗り越えて良かった。もう一回、回ってきたら? そこは他のチームに託しましょうよ」と冗談を交えつつ振り返った。

 試合後のミックスゾーン、楢崎は開口一番に「負けかけましたね。(ポストに2本も当たって)ツイていました」とコメントした。前半は3-6-1システムの名古屋が試合を優勢に進める。左右のストッパーに入った田中マルクス闘莉王と大卒ルーキーの牟田雄祐が高い位置でプレーし、中盤の人数を増やしたことでポゼッション率を高めることに成功。ボランチの田口泰士ダニルソンがしっかりとボールを収め、2シャドーに入った玉田圭司藤本淳吾も豊富な運動量でポジションチェンジを繰り返しながらしっかりとボールをつないだ。

 35分にはペナルティエリア内で玉田がシュート。これがDFにブロックされたこぼれ球に素早く藤本が反応し、ゴールライン際へ流れたボールを外から回り込んで折り返す。そこにオーバーラップしてきた闘莉王と並走した磐田DFがクリアしきれずオウンゴール。闘莉王が「俺、当たってるよ。半々にしてほしいくらい」と笑ったとおり、ほぼ闘莉王のゴールと言っていい形で名古屋が1点をリードして前半を折り返す。

 だが後半開始早々、名古屋に大きなアクシデントが起こる。「普通なら(試合に)出られる状態じゃなかった」という闘莉王が、痛めていた左ふくらはぎの肉離れを悪化させて交代を余儀なくされてしまう。楢崎が懸命にセーブしたシュートがゴールへ向かうところに、全力で走り込んでスライディングでクリア。本人は「同点だったら代わっていなかったかもしれない」と軽傷をアピールしたが、チームは危機回避の代償に大黒柱を失ってしまうこととなる。

 強行出場していた闘将を欠いた名古屋は、一気にバランスを崩した。楢崎が「ボールを持つ場面を考えたら、闘莉王がいないのはチームにとって良くないと改めて感じた」と語れば、ストイコビッチ監督は「闘莉王のアクシデントで、プランが思いどおりにならなかった」と回顧。ボールがつながらなくなり、磐田が押し込む展開が続く。急造4バックで凌ごうとするが、打開策には至らない。

 攻勢に出る磐田は26分、チョン・ウヨンからの縦パスを受けた山田大記がドリブルで持ち上がると、そのまま約40メートルを独走。「フォーメーションの理でフリーになれることが多かったし、それがチームとしての狙いだった。(ボールを受けてからの)選択肢は他にもあったけど、ゴールしか見ていなかった」という背番号10に対し、名古屋守備陣はズルズルと下がるばかり。「あの角度からの左足はかなり自信がある」という山田に豪快な突破から同点ゴールを許してしまう。磐田は山田が「後半は特にサッカーが楽しいと思えた」と振り返るほど攻め続けたものの、駒野友一のシュートがポストを叩くなどしてスコアは動かず。試合は1-1の痛み分けに終わった。

 キャンプから取り組んできたサッカーが磐田が噛み合い始め、選手たちも口々に手応えを語った磐田に対し、闘莉王不在時のスタイルに不安を残した名古屋。ずっと気にしていた“前田の呪い”は乗り越えたものの、火曜日に再検査を行う闘将の診断結果次第では、大きな方向転換を強いられることになるかもしれない。

[取材・文]=青山知雄(Jリーグサッカーキング編集長) [写真]=山口剛生

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