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ケラミックカップ日本予選で仙台ユースが頂点に…来年1月、ドイツでの国際大会に出場

日本予選で頂点に立ったベガルタ仙台ユース

 10月7日、宮城県仙台市のクローバーフットサルクラブ ワッセ仙台にて「ケラミックカップ( KERAMIK CUP )2013 日本予選大会」が開催された。

 これは5人制の壁ありサッカー「ハーレンフースバル」国際大会の日本予選という形で過去3度開催されてきた大会が、今回は競技の普及と選手の育成を広範囲で実現するために、東北に開催地を移して行われたものだ。

 日本ではまだなじみのないハーレンフースバルだが、発祥地のドイツでは降雪などでピッチが使えない冬季を中心に、11人制サッカーのトレーニングの一環として普及している。単独の競技としても多くの大会が開催されており、2013年1月19日と20日にはラインラント=プファルツ州のU-17国際大会が開催予定。今回の日本大会ではU-16の6チーム(ベガルタ仙台ユース、モンテディオ山形ユース、聖和学園高、尚志高、盛岡商業高、東北高)が予選リーグと決勝トーナメントを戦い、優勝チームがドイツ行きの権利を得ることになった。

 ハーレンフースバルはいわゆる「室内サッカー」だが、日本でおなじみの「フットサル」とは似ているようでまた違うルールと魅力がある。

 最大の特徴は、42×21メートルのコートの四方が、高さ約1mの壁で囲まれていること。ボールが壁を越えた場合や天井に当たった場合はリスタートとなるが、それ以外、つまりボールが壁に跳ね返った場合はプレー続行。そのためなかなかプレーが切れず、攻守の切り替えが早い。予選が12分間、決勝トーナメントは15分間の一本勝負だが、かなりの運動量が要求される。もちろん壁の跳ね返りを戦略に利用することも可能で、前に立ちふさがる相手に対して壁にボールを当ててかわすテクニックも有効。これが本当の「壁パス」だ。

 また、ハーレンフースバルでは11人制サッカーと同じ5号球を使用。コンタクトプレーも認められている。先に「サッカーのトレーニングの一環」と書いたが、それはこのようにサッカーとリンクする部分が多いためだ。5人という少人数で、ジュニアサイズのゴールではあるが、11人制同様の個性を出しやすい。また、接触プレーが認められているため、テクニックだけでは相手ゴールに近づけない。テクニック、フィジカル、戦略性など、11人制サッカーに通じる多くの要素がピッチ上に表れる。ドイツではこのハーレンフースバルの大会で、11人制サッカーのスカウトが選手をチェックすることも少なくないという。

 今大会のアドバイザーを務める平瀬智行さん(ベガルタ仙台アンバサダー)に、このケラミックカップとハーレンフースバルの魅力を訊いた。

「ハーレンフースバルの特徴は、11人制のサッカーに求められるフィジカルや攻守の切り替えが、5人制でも同じように要求されることです。足下の技術だけでは勝てないし、力押しだけでもダメなんです」

「この大会は急ピッチで実現したのですが、多くのスポンサーの方々の協力で実現しました。特に冬場の練習環境が厳しい東北で、このハーレンフースバルが広まる意義は大きいと思います」

「今日参加したチームはそれぞれの個性を出しながら、この競技ならではの戦い方や、自分たちの課題を見つけてくれたと思います。それを11人制でも生かしてほしいし、またこの競技も続けてほしい。そして代表チームは、ドイツでの本大会で、また違った本場の選手たちの特徴を実感して、日本に持ち帰ってほしいですね」

 6チームが激しい試合を繰り広げ、決勝に残ったのはベガルタ仙台ユースとモンテディオ山形ユース。Jクラブのユース同士の激突は、4-1でベガルタ仙台ユースが勝利した。ドイツ行きの権利を得たベガルタ仙台ユースの岩崎湧治選手は、「判断力と、一対一の強さが重要だと感じました。壁を使って戦略を広げることもできるし、やっていて本当に面白かった。(決勝大会が行われる)ドイツでは日本との違いやサッカーとの向き合い方などを素直に吸収して、これからのサッカー人生に生かしていきたい」と感想を口にした。

 日本予選に参加したU-16の6チームも、エキシビションに参加した小学4年生の4チームも、様々な発見を得た一日となった。戦いを重ねるうちに、壁の有効な利用法など、この競技ならではの作戦やアイディアを次々選手たちが見つけていく姿も印象的だった。特に育成年代で大きな意義を持つこのハーレンフースバルがさらに普及し、このケラミックカップも発展していくことが期待される。

[文・写真]=板垣晴朗


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