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“ブラボー!”ではなく”アモーレ”が由来?日本茶の故郷から生まれたチーム「マッチャモーレ京都山城」とは

2022.12.25

 2020年8月、京都府南部に位置する「日本茶の故郷」山城地域に、なんとも不思議なサッカークラブが誕生した。その名も「マッチャモーレ京都山城」だ。一度聞いたら忘れられない可愛らしい名前をもつそのチームは今季の京都フットボールリーグ3部を全勝優勝する圧倒的な強さを見せている。

 まだ創設されて間もないクラブだが、京都山城地域を中心に着実に知名度は高まっている。様々な地域活動の実施はもちろん、今年11月には応援してくれる人たちと一緒にチームを創り上げていきたいという思いから、「MæTCHAありがトークン」の販売を開始した。今回は、次々に新しいことに取り組み、物凄い勢いで成長を続ける「マッチャモーレ京都山城」の代表と、有名作家という2つの顔を持つ塚本亮氏に話を聞いた。

記事提供=FiNANCiE

―――作家としても活動されている塚本さんが、サッカーチームの経営者になろうと思ったきっかけを教えてください。

 大学を卒業し、ヨーロッパへ留学に行きました。そこで、サッカーが人々のアイデンティティになっている姿を見たのがきっかけです。日本ではサッカーを見にスタジアムに行くのが一般的だと思いますが、ヨーロッパでは試合がない日にもスタジアムに人が集うんです。スーパーマーケットや病院が併設されているので、サッカーを見るだけではなく地域の人々をつなげるハブになっているんです。僕自身、スタジアムのあり方を考え直す機会になりました。試合の有無とか、サッカーの好き嫌いは関係なく、人が集まる場所を作りたいなと思っていましたね。

 留学をしている時点で具体的にどうするかは考えていませんでしたが、ひょんなことから2019年になでしこリーグのバニーズ京都SCの理事を務めました。イベントの企画やクラブの運営に関わる中で、「スポーツの可能性がもっとあるのではないか」と思ったんです。2020年にバニーズ京都SCが群馬に移管されることになってしまいましたが、そこから「自分でクラブを作ってみたらいいんじゃないか」と。

―――ご自身が設立されたマッチャモーレ京都山城について、その経緯を教えてください。

 まず、私自身が生まれ育った京都山城地域が「50年、100年と発展していくためには何が必要なんだろう」と考えました。この街に住みたい、面白いと思ってもらえるような何かが必要なんじゃないかなという発想に至ったんです。スポーツが持っている大きな力で「人を繋ぎ合わせて感情を共有し合えることができる」ようなムーブメントを作るために設立しました。サッカーが好きな人も、サッカーがわからない人も応援したくなるようなチームを作れば、地域の人々を繋ぎ合わせて、何か豊かな地域にできると考えています。

―――「マッチャモーレ」というチーム名が印象的ですが、名前の由来はどこから来ているのでしょうか。

 京都山城地域は「日本茶の故郷」と呼ばれていて、日本のお茶文化が生まれ育った地です。私自身は祖父がお茶の先生をしていたものの、身近な存在ではありませんでした。ただ、ヨーロッパでは「抹茶」という言葉がカフェのメニューにそのまま書かれていたんですね。世界を歩き回っている日本語だと感じたので、この地域から生まれたことを伝えるためにも「抹茶」はチーム名に入れ込みたいと思っていました。

 クラブが目指している「地域の人々との関係や、地域社会を良くしていこう」という理念とマッチしたのが「アモーレ」という言葉だったので、「抹茶」と「アモーレ」を合わせて「マッチャモーレ」に決定しました。

―――クラブの活動の中で、特に力を入れている取り組みはありますか?

「みんなのサッカー広場」という無償のサッカー教室をしています。ドイツやヨーロッパでは「地域の子供たちの発育を支えるのは、地域の人々であり地域の企業である」という考え方があります。京都山城地域から、これからの未来を担う子どもたちを見守っていく仕組みづくりを目指す動きです。サッカーが上手くなることが目的ではなく、「スポーツって楽しい」と感じてもらういうことをコンセプトにしています。スポーツの得意、不得意にかかわらず楽しめる場を提供していきたいですね。

―――なぜ、クラブの運営においてトークンを使ったクラウドファンディングやコミュニティを活用しているのでしょうか。

 チームの立ち上げからオンラインサロンの運営はしていました。一方で、支援が一時的なものになって支援者と運営との関係性をどのように持続的に深めるかが課題だったんです。そこで、トークンを用いたクラウドファンディングを知りました。

支援者とのコミュニケーションも取りやすいし、みんなでいいチームを作る、みんながハッピーになる仕組みができるのではないかと思ってFiNANCiEを導入しました。すでにコミュニティの中では来季のユニフォームデザインを決めたり、地元企業さんとコラボした抹茶梅酒のラベルデザイン投票をしたりと、トークンホルダーの方と一緒に楽しみながら様々な取り組みをしています。

―――塚本さんの理念や経験を踏まえて生まれたチームですが、現在のチームの状況はいかがでしょうか。

 京都府リーグの中で、来季からは2部リーグに参入します。すごくいい状態で取り組めていて、純粋に選手たちがサッカーを楽しんでくれていますね。練習の強度も高く、いい競争が生まれています。ただサッカーをするだけではなく「サッカーを通じて地域とどのように関わるか」というコンセプトに対して一緒に取り組んでくれる選手が多いです。イベントにも積極的に参加をしてくれる選手もいて、活躍することで地域に活力を与えたいという気持ちを持ってくれていますね。

―――最後に、マッチャモーレ京都山城の今後の展望や意気込みについて教えてください

 チームとしては、Jリーグへの参入を目指していきたいです。その中で、地域の方とのさまざまな喜怒哀楽を共にしていくことが大事です。あとは、折角FiNANCiEを使っているので、トークンホルダーの方と協力した大きなイベントをサッカー以外の形で実施したいですね。また、現在は初回ファンディング中(2022年12月時点)で、2000円からコースを用意しているので、ぜひ気軽に参加していただけたら嬉しいです。これまでこの地域になかった取り組みをすることで、サッカーに興味がない人たちも応援してくれるようなチーム作りをしていきたいと思います。ぜひたくさんの応援をよろしくお願いいたします。

初回ファンディング期間:2022年11月11日11:00~2023年1月10日(火)21:00
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By サッカーキング編集部

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