東京ヴェルディは5月19日、総合クラブ化の一環として「東京ヴェルディフットゴルフ」を設立し、フットゴルフ界に参入することを発表した。
東京ヴェルディは、かねてからJリーグの理念を体現すべく、総合クラブになることを目標に新たな競技への参入を推進してきた。今回その一環として、世界的に急拡大しているフットゴルフのチームを設立することになった。これで東京ヴェルディのクラブは17個目となる。
フットゴルフは2009年にルール化されたと言われ、これまで3度のワールドカップを開催。2028年に行われるロス五輪での正式種目化を目指すなど、世界で競技人口が急増している新スポーツとなっている。国内では、2014年に一般社団法人日本フットゴルフ協会が創設。毎年ジャパンツアーが開催されているほか、コロナ禍前は国際大会も行われ、2020年にはワールドカップの日本開催(新型コロナウイルス感染拡大により2021年に延期、その後も感染拡大が収まらないため中止)も予定されていた。
これで、フットゴルフチームを保有するJリーグクラブは、FC岐阜に続き2クラブ目となったが、今回発足した「東京ヴェルディフットゴルフ」は、「東京から世界一を目指すクラブ」として、ワールドツアーやジャパンツアーに積極的に参戦するという。
当面の目標は、2023年にアメリカのフロリダ州で開催予定の「FIFG FOOTGOLF WORLD CUP ORLANDO 2023」にクラブ所属選手を日本代表として出場させること。そこでまず、その筆頭候補として、かつてヴェルディ川崎(現東京ヴェルディ)でプレーした阿部良則をシニアカテゴリーの所属選手として迎えることも決まった。
というのも、そこにはフットゴルフチームに対する「より多くの人にスポーツを楽しんでもらうために、重要な役割を担ってもらえると期待している」(一般社団法人東京ヴェルディクラブ理事長・森本譲二氏)という同クラブ全体の想いがあるからだ。
フットゴルフはルール化された当初から、老若男女が楽しめるスポーツとして普及し、男女の各部門だけではなく46歳以上を対象としたシニア部門も存在する。阿部がこのカテゴリーで活躍し、新競技で世界の舞台に立つことは、プロサッカー選手のセカンドキャリアとしてのフットゴルフの可能性を体現することになる。
同チームの田原学ゼネラルマネジャーも「世界ではプロサッカー選手のセカンドキャリアとして、ワールドカップに出場した選手たちが続々と参戦しています。そのようなセカンドキャリアのスポーツとしての普及にも貢献していきたい」とコメントした。
東京ヴェルディといえば、これまでに三浦和良など数々のスター選手が所属した名門クラブだ。例えばJリーグ創設期に活躍した元ヴェルディ戦士たちが、戦うフィールドをピッチからフェアウェイに変えて参戦したら……。今回のチーム誕生は、まさに新しい可能性に向けた第一歩と言えそうだ。
By サッカーキング編集部
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